藤原定家
( ふじわら・ていか )応保2年(1162)、藤原俊成と美福門院加賀の間に生まれる。治承4年19歳で叙爵し、翌年「初学百首」を詠む。妖艶華麗な歌風や独特の書風は後世の歌人・文人に大きな影響を与えた。日記『明月記』(国宝)や歌論『近代秀歌』などの著書も名高い。仁治2年(1241)没。
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たちのぼり南のはてに雲はあれど照る日くまなきころの虚(オホゾラ)―。定家の歌は単なる風景描写にとどまらない。鬱勃たる心の屈託を吐露したその詩情は、時を超え堀田善衛、三島由紀夫や塚本邦雄ら現代の文学者にも絶大な影響を及ぼし続けている。下巻には『拾遺愚草員外雑歌』『拾遺愚草員外之外』等の約1470首のほか歌枕一覧、定家略年譜、初句索引を収録。解釈や鑑賞に資する先行歌・同時代人の歌も可能な限り参照し、三十一文字に凝縮された表現世界を解き明かす。
拾遺愚草員外雑歌(一字百首
一句百首
伊呂波四十七首
伊呂波四十七首二度 ほか)
拾遺愚草員外之外(自筆遺草
明月記
撰集
諸家集
歌合 ほか)
補遺
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