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ちくま学芸文庫

増補ハーバーマス

——コミュニケーション的行為

対話が支える相互理解は可能か? 理性を信じる思想

非理性的な力を脱する一方、人間疎外も強まった近代社会。その中で人間のコミュニケーションへの信頼を保とうとしたハーバーマスの思想に迫る。

定価

1,540

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09853-5

Cコード

0110

整理番号

-28-1

2018/03/06

判型

文庫判

ページ数

400

解説

内容紹介

人間には暴力・抑圧に支配されず対話を交わし、相互理解に到達する理性の力が与えられている。宗教や因習など非理性的な力を脱した近代社会において、民主的な原理はようやく一人立ちしたが、同時に支配のシステムは強大に、そこから生じる人間疎外も強固になり、コミュニケーション的理性の可能性は十分には実現できなかった。異なる利害を持った人間が意思を疎通し、行為を調整しあうにはどうしたら良いのか。あくまでも人間のコミュニケーションへの信頼を保とうとするハーバーマス。その全貌をとらえた一冊。

目次

プロローグ コミュニケーション的理性への信頼
第1章 批判的社会理論への旅立ち
1 第三帝国の闇が明けて
2 哲学と政治
3 フランクフルト学派の一員として
4 実証主義論争―社会科学の論理をめぐって

第2章 制度と言語―イデオロギー批判への取り組み
1 戦後ドイツの政治とフランクフルト学派
2 日常言語のダイナミズムを問う
3 偽りのコミュニケーションをえぐる
4 後期資本主義のゆらぎ

第3章 システムと生活世界
1 ルーマンとの論争(1)―人物と背景
2 ルーマンとの論争(2)―「意味」の意味
3 ルーマンとの論争(3)―システム合理性と理性啓蒙
4 異議申し立ての季節

第4章 近代合理主義と人間のコミュニケーション
1 コミュニケーション的行為の世界
2 近代合理主義論の再検討
3 生活世界の合理化―その危険と可能性

第5章 ポストモダン思想との対決
1 現代フランスの理性批判とハーバーマス
2 デリダ―記号論の次元
3 フーコー―権力論の次元
4 形而上学への回帰?

第6章 多元的社会における法と道徳
1 現代倫理学への提案
2 歴史と道徳―討議倫理学のさらなる課題
3 「法」の実践

エピローグ 政治的実践の中で

終章 対話は世界を変えられるのか―その後のハーバーマス
1 その後のハーバーマス―宗教、戦争、自然
2 どんな社会をつくり、どんな人たちと共に生きるか
3 対話はひとと社会を救えるか
4 公共性の外部―宗教と自然

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索引

著作者プロフィール

中岡成文

( なかおか・なりふみ )

1950年生まれ。京都大学大学院文学研究科単位取得退学。大阪大学大学院文学研究科教授を経て、現在、一般社団法人哲学相談おんころ代表理事。主著に、『試練と成熟――自己変容の哲学』(大阪大学出版会、2012年)『私と出会うための西田幾多郎』(1999年)『パラドックスの扉』(岩波書店、双書哲学塾、2007年)『臨床的理性批判』(岩波書店、双書現代の哲学、2001年)などがある。

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