藤原彰
( ふじわら・あきら )1922-2003年。東京に生まれる。陸軍士官学校卒業後、中国各地を転戦する。復員後、東京帝国大学文学部史学科に入学し、1949年卒業。千葉大学文理学部、東京大学教養学部などで講師をつとめ、一橋大学助教授を経て1969年より一橋大学社会学部教授。1989年より女子栄養大学教授。専門は、日本近代史。著書に『昭和史〔新版〕』(遠山茂樹・今井清一との共著)、『太平洋戦争史論』、『日本軍事史』、『中国戦線従軍記』などがある。
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アジア太平洋戦争において死没した日本兵の大半は、いわゆる「名誉の戦死」ではなく、餓死や栄養失調に起因する病死であった―。戦死者よりも戦病死者のほうが多いこと、しかもそれが戦場全体にわたって発生していたことが日本軍の特質だと著者は指摘する。インパール作戦、ガダルカナル島の戦い、ポートモレスビー攻略戦、大陸打通作戦…、戦地に赴いた日本兵の多くは、無計画・無謀きわまりない作戦や兵站的な視点の根本的欠落によって食糧難にあえぎ、次々と斃れていった。緻密な考証に基づき、「英霊」たちのあまりにも悲惨な最期を明らかにする
第1章 餓死の実態(ガダルカナル島の戦い
ポートモレスビー攻略戦
ニューギニアの第十八軍
インパール作戦
孤島の置きざり部隊
フィリピン戦での大量餓死
中国戦線の栄養失調症
戦没軍人の死因)
第2章 何が大量餓死をもたらしたのか(補給無視の作戦計画
兵站軽視の作戦指導
作戦参謀の独善横暴)
第3章 日本軍隊の特質(精神主義への過信
兵士の人権
兵站部門の軽視
幹部教育の偏向
降伏の禁止と玉砕の強制)
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