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ちくま学芸文庫

ポストモダニティの条件

モダンとポストモダンを分かつものは何か。近代世界の諸事象を探査し、その核心を「時間と空間の圧縮」に見いだしたハーヴェイの主著。改訳決定版。

定価

2,200

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09894-8

Cコード

0125

整理番号

-50-1

2022/06/09

判型

文庫判

ページ数

640

解説

内容紹介

現代とはいかなる時代か。近代と現代とを隔てるものとは何か。1970年代以降、思想、建築、芸術などの各分野で「ポストモダン」なる語が氾濫していくなかで、著者はその核心を資本の回転の加速による時間と空間の圧縮に見いだす。フォーディズムからポストフォーディズムへの転換も、グローバル化とそれが引き起こす不均衡な発展も、「ポストモダニズム」も、すべての根底にあるのはこの原理にほかならない。モダン/ポストモダンにまつわる諸神話を解体し、その淵源に肉薄する、経済地理学者デヴィッド・ハーヴェイの主著にして都市論の不朽の名著。旧訳を全面的に見直し、改訂を施した決定版。

目次

第1部 現代の文化におけるモダニティからポストモダニティへの移行(序論
モダニティとモダニズム
ポストモダニズム
都市のポストモダニズム―建築とアーバン・デザイン
近代化
「ポスト」モダニズムか、ポスト「モダニズム」か)
第2部 二〇世紀後期の資本主義の政治的・経済的変容(序論
フォーディズム
フォーディズムからフレキシブルな蓄積へ
移行の理論家
フレキシブルな蓄積―確固たる移行か、一時的調整か)
第3部 空間と時間の経験(序論
社会生活における個人的空間と時間
社会的権力の源泉としての時間と空間
啓蒙のプロジェクトにおける時間と空間
時間と空間の圧縮と文化的力としてのモダニズムの興隆
時間と空間の圧縮とポストモダンの条件
ポストモダンの映画における時間と空間)
第4部 ポストモダニティの条件(歴史的条件としてのポストモダニティ
魔法を用いた経済学
鏡の鏡としてのポストモダニズム
フォーディズム的モダニズム対フレキシブルなポストモダニズム
変容的かつ投機的な資本の論理
電子的複製時代とイメージ貯蔵庫の時代における芸術作品
時間と空間の圧縮への反応
史的唯物論の危機
ひび割れた鏡、周縁での融合)

著作者プロフィール

デヴィッド・ハーヴェイ

( でヴぃっど・はーヴぇい )

デヴィッド・ハーヴェイ(David Harvey) 1935年、イギリス生まれ。ケンブリッジ大学で地理学のPh.D.を取得。ジョンズ・ホプキンス大学教授、オックスフォード大学教授などを経て、現在はニューヨーク市立大学特別教授。計量地理学を出発点としたが、その後マルクス主義経済学を大胆に摂取した経済地理学を展開、社会科学全般に影響を与える。近年では、マルクス理論の解説者としての評価も高い。おもな邦訳書に、『空間編成の経済理論』『新自由主義』『〈資本論〉入門』『経済的理性の狂気』などがある。

吉原直樹

( よしはら・なおき )

吉原 直樹(よしはら・なおき):1948年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院社会学研究科社会学専攻博士課程単位取得退学。社会学博士。東北大学大学院文学研究科教授、大妻女子大学社会情報学部教授、横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院教授などをつとめる。東北大学名誉教授。専攻は都市社会学、コミュニティ研究、社会学理論。著書に『コミュニティと都市の未来』(ちくま新書)、『コミュニティ・スタディーズ』(作品社)、『都市社会学』『都市空間の社会理論』『都市とモダニティの理論』『モビリティと場所』(以上、東京大学出版会)、『コミュニティを再考する』(共著、平凡社新書)など多数。

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