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ちくま文庫

現人神の創作者たち(下)

日本的原理主義の起源! 戦前の「呪縛」は解かれたか

将軍から天皇への権力の平和的移行を可能にしたのは、水戸学の視点からの歴史の見直しだった。その過程を問題史的に検討する。 【解説: 高澤秀次 】

定価

1,056

(10%税込)
ISBN

978-4-480-42369-6

Cコード

0123

整理番号

-30-4

2007/10/10

判型

文庫判

ページ数

320

解説

内容紹介

徳川幕府から天皇への平和的な「大政奉還」は世界史的に珍しい現象である。その原動力となったのは「慕夏思想」から転じた朱子学的理想主義だった。二重の「回心」はどのように進められたのか。下巻では、山崎闇斎と「崎門三傑」の理論を震源とした、幕末の歴史の見直し運動の特徴と影響を問題史的に検討し、そのプロセスを明らかにする。

目次

歴史への「共鳴・掘り起し現象」
聖人から極悪人へ
「輸入史観」適用の無理
源義朝は大悪人か
自ら権力を放棄した朝廷
「華」を目指す「夷」の優等生
歴史の過ちを正すという発想―大政奉還の預言
失徳・無能の天子・後醍醐天?c批判
天皇批判の逆効果
応用問題としての赤穂浪士論
現人神の育成者へ、そして明治維新へ

著作者プロフィール

山本七平

( やまもと・しちへい )

大正10(1921)-平成3(1991)年。東京生まれ。青山学院高等商業部を卒業。昭和17年徴兵され、フィリピンで敗戦を迎える。収容所生活の後、22年復員。33年に山本書店を創立し、主に聖書学関係の本を出版する。昭和45(1970)年にイザヤ・ベンダサン名で出した『日本人とユダヤ人』が大ベストセラーになり、第2回大宅ノンフィクション賞を受賞。以後、自らの戦争体験や独自の日本人論をテーマに多数の著作を残す。その業績に基づき、56年、第29回菊池寛賞を受賞した。著書として、他に『洪思翊中将の処刑』(ちくま文庫)など多数ある。(写真提供:文藝春秋)

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