工藤美代子
( くどう・みよこ )1950年、東京生まれ。チェコスロバキアのカレル大学に留学後、カナダのコロンビア・カレッジを卒業する。93年帰国。『工藤写真館の昭和』(講談社文庫)で講談社ノンフィクション賞を受賞する。主な著書に『スパイと言われた外交官 ハーバート・ノーマンの生涯』(ちくま文庫)のほか、『海燃ゆ 山本五十六の生涯』(講談社)、『われ巣鴨に出頭せず 近衛文麿と天皇』『快楽』(いずれも中公文庫)、『赫奕たる反骨 吉田茂』(日本経済新聞出版社)など多数ある。
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著名な女流歌人、齋藤史が1994年、宮中歌会始に召人として召されたことは、大きな話題になった。というのも、その父である陸軍少将・齋藤瀏は、昭和天皇を激怒させた2・26事件を主導した青年将校たちの、有力な支援者だったからである。歴史に関わり、翻弄されたひと組の父と娘の歩みを通して、昭和史の激動の真実を生き生きと描き出す。
序章 宮中歌会始―幻影の兵士たち
第1章 自然児・瀏の流転―蛍雪の旅立ち
第2章 日露戦争と明治日本―赫奕たる残照
第3章 軍都旭川―史と栗原の別れ
第4章 洛南事件始末―昭和という困難の幕開け
第5章 野に放たれた瀏―動乱と歌の火花
第6章 亀裂する軍閥―蹶起への分岐点
第7章 維新前夜―軍師、齋藤瀏奔る
第8章 雪の朝―戒厳令下の尊皇
第9章 処刑の夏―暴力のかくうつくしき世に住みて
第10章 終戦、天皇の「人間宣言」―栗原たちが聞かないでよかった
終章 和の歌―天皇家との和解
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