任文桓
( いむ・むなん )1907年、韓国忠清南道生まれ。23年、日本へ渡る。京都で牛乳配達、人力車夫をし、周囲の日本人の援助も受け、同志社中学で学び、岡山の旧制六高を経て東京帝大法学部に進む。34年、高等文官試験に合格。35年より朝鮮総督府行政官として勤務。戦後、農林大臣、韓国貿易協会会長を歴任。1993年死去。
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日本帝国の植民地だった時代、コリアに生まれた著者は差?ハを受けながらも、体制の中で同胞を救うべく、朝鮮総督府の官僚となる。―若き日に日本に渡り、苦学しながらも、日本人たちの援助を受け、エリートコースを歩む様子、朝鮮戦争の渦中での緊迫感あふれる描写、戦後大韓民国で疎まれながらも力を尽くす姿が、優れた日本語で生き生きと描かれる。
第1章 明滅する星に守られて
第2章 大望なき青雲の志
第3章 目高が鯉に成りはしたが
第4章 深淵上の曲芸
第5章 三度、四度、五度目の国籍変更
第6章 乱世の理、治世の非理
第7章 余録
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