野溝七生子
( のみぞ・なおこ )野溝 七生子(のみぞ・なおこ):1897年、兵庫県生まれ。懸賞小説応募作の『山梔』は新聞連載後、1926年に刊行。さらに北原白秋主宰『近代風景』や長谷川時雨主催『女人藝術』などに作品を発表する。作家活動の傍ら東洋大学で教鞭をとり、森鴎外に関する論考を多数執筆した。他の著作に『女獣心理』(講談社文芸文庫)、『南天屋敷』(角川書店)、『暖炉 野溝七生子短篇全集』『アルスのノート』『眉輪』(展望社)などがある。1987年没。
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明治時代の職業軍人の家に生まれ、悩み、闘う阿字子を主人公とする少女小説の名作。野溝七生子の自伝的・衝撃的デビュー作。
「本が読みたい。本が読みたい。本が読みたい。」
「結婚が、そんなに幸福なものだと、思っていらっしゃるんですか。」
少女の挌闘と切望。胸を抉る瑞々しい大正の名篇、ついに復刊。
解説 矢川澄子・山尾悠子
【内容紹介】
幼く純粋な妹や身を犠牲にする母と姉への愛、暴力をふるう父への愛憎、読書への切なる欲求、古代ギリシャ神話・中世ヨーロッパ伝説への憧憬、海や美しい女への畏敬の念……主人公・阿字子をとりまく家父長制や結婚への圧力など不自由な世界と、葛藤する誇り高く瑞々しい少女の精神を描く野溝七生子の自伝的小説。1926年に刊行された孤高の名篇、待望の復刊。
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