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ちくま文庫

ハーレムの熱い日々

暴力に逆らい、柔らかな眼でうつしだしたフォト・ルポルタージュ。

NYCの黒人居住区ハーレムに暮らし、人間としての誇りや優しさを柔らかな眼差しでうつしだしたフォトジャーナリストの記録。エッセイ 伊藤詩織

定価

990

(10%税込)
ISBN

978-4-480-43973-4

Cコード

0136

整理番号

-35-1

2024/08/07

判型

文庫判

ページ数

272

解説

伊藤詩織

内容紹介

黒人差別への抗議が広がった60年代ニューヨーク・ハーレムに暮らし、隣人たちの眼差しを撮り続けたフォトジャーナリスト吉田ルイ子。貧困・麻薬・売春・差別に象徴される街で、ブラックパワーの逞しさにふれ、自らの差別意識と向き合いながらシャッターを切った。女性や子ども、弱き立場の人びとの語らいに耳を澄ませ、人間としての誇りを取り戻すことに目覚めた黒い肌の輝きを、カメラとペンでヴィヴィッドに捉えてゆく。

目の前の人を人として愛を持って接すること。
私たちは今を生きる一人の人として、その眼差しを捨ててはいけない。
――伊藤詩織(巻末エッセイより)
エッセイ/『ハーレムの熱い日々』によせて 伊藤詩織

目次

ハーレムとの出会いは偶然だった
差し出された黒い手
ハーレム低所得者団地
あんた、いい男と一緒になったネ
小さな友だち

ピクチュアウーマン誕生
洗濯場の女たち
ワーラーメーロン
ピクチュアウーマン誕生

ハーレム百二十五丁目のヒーローたち
鳥肌がたつくらい興奮した
ハーレムのジャズマン
白いキャデラックと黒いピンプ(ポン引き)
ハーレムのシンデレラは売春婦

私は差別の複雑さの中にいた
黒と白
黄と黒と白

ハーレムに何かが起こりはじめた
ブラックモスレム――誇りの回復
暴動、そしてハーレムを追われる

誰がハーレムを“怖い”と言ったのか?
リベラル白人への不信
怪電話でノイローゼになる
ピストルを枕の下に
今すぐ、ハーレムに帰りたい

黒い輝きはまぶしかった
ハーレム再会
街はブラック、ブラック、ブラック
パンサー党と空手道場
日本の赤軍派の人と会う
銃が人を殺すのではない
Right on!
日系人の活動家――ママさん、メリー
第三世界結集への道
黒い輝きは消えない

黒にめざめる黒人たち
黒人のモデルたち
パンサー党員のモダンバレリーナモデル、バーバラ
アメリカの資本家から金を巻き上げてるのよ
白人が作りあげたセックスの神話

貧困のポケットの中には何が入っている?
広告会社はじめての仕事
キング牧師が殺された翌日のこと

ハーレムは私を育ててくれた
日本に帰って

文庫版あとがき
アメリカのできごと
エッセイ 伊藤詩織

著作者プロフィール

吉田ルイ子

( よしだ・るいこ )

吉田 ルイ子(よしだ・るいこ):1934年北海道室蘭市生まれ。慶応義塾大学法学部卒。NHK国際局、朝日放送アナウンサー勤務の後、1961年フルブライト交換留学生として渡米。オハイオ州立大学とコロンビア大学で学び、フォトジャーナリズム専攻で1964年コロンビア大学より修士号を取得する。そのままニューヨークに滞在し、ハーレムに住んで写真を撮りはじめる。1968年ハーレムの子どもを撮った写真で公共広告賞を受賞。帰国後は北米、中米、東南アジア、中東、アフリカと世界を駆けめぐり、人々の生活、感情に思いを寄せた視点で、写真を撮りつづけた。2024年5月31日、89歳で逝去。

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