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ちくま文庫

新版 禁酒宣言

——上林暁・酒場小説集

全ての酒呑みに贈る13の傑作短編!

「私は酒がやめられないのである」情けない、仕方ない、しかし不思議と憎めず愛しい人間模様。全ての酒呑みに捧ぐ傑作短編集復刊! 解説 青柳いづみこ

定価

990

(10%税込)
ISBN

978-4-480-43988-8

Cコード

0193

整理番号

-30-2

2024/11/07

判型

文庫判

ページ数

336

解説

青柳いづみこ

内容紹介

「私は酒がやめられないのである」
「だらしない話である。恥かしい話である」
しかし不思議と憎めず愛しい、戦後・昭和の人間模様――。
「小生、この度感ずるところあって、酒を止めることにしました。断然止めたいと思います。」「酒を飲むから、仕事が出来ぬ。仕事が出来ぬから、金があんまり入らない。」(「禁酒宣言」)止せばいいのに今日も今日とてふつか酔い、後悔してももう遅い。確かな筆致で人間の生活を描き続けた私小説作家・上林暁の世界から坪内祐三が選りすぐる、ユニークな酒場小説集。
解説 青柳いづみこ

カバー画・題字 風間勇人
カバーデザイン 小川恵子(瀬戸内デザイン)

目次

女の懸命
暮夜
禁酒宣言
いさかい
春寂寥
魔の夜
お竹さんのこと   
愉しき昼食
酔態三昧
春浅き宵
女の甲斐性
たばこ
蹣跚

編者解説 坪内祐三 
上林暁の小説における「飲み屋」という「宇宙」 スタンレー鈴木 
新版解説 青柳いづみこ

著作者プロフィール

上林暁

( かんばやし・あかつき )

上林暁(かんばやし・あかつき):1902年、高知県生まれ。東京大学英文科卒業後、改造社に入社。初の短編集『薔薇盗人』を刊行後、作家生活へ入る。妻の病、戦争による生活環境の悪化をくぐりぬけ作品を発表し続ける。主な著作に「聖ヨハネ病院にて」「野」「春の坂」「星を撒いた街」などがある。「白い屋形船」で読売文学賞、「ブロンズの首」で川端康成文学賞を受賞。1980年逝去。

坪内祐三

( つぼうち・ゆうぞう )

坪内祐三(つぼうち・ゆうぞう):1958年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、同大学院修士課程修了。編集者を経て文筆家へ。1997年『ストリートワイズ』でデビュー。2001年『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り』で講談社エッセイ賞受賞。著書に『靖国』『『別れる理由』が気になって』『探訪記者 松崎天民』『文庫本を狙え!』など多数。2020年逝去。

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