海野弘
( うんの・ひろし )海野 弘(うんの・ひろし):1939年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒業。1976年より平凡社「太陽」の編集長を務めたのちに独立。美術、映画、音楽、都市論、華道、小説など幅広い分野で執筆を行い、活躍する。著書及び解説・監修をつとめた書籍に『アール・ヌーボーの世界』『スキャンダルの世界史』『日本の装飾と文様』『ロシア・アヴァンギャルドのデザイン 未来を夢見るアート』『武蔵野マイウェイ』他多数。2023年、逝去。
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両親ではない、きょうだいでもない、祖父母でもない、ちょっと不思議な「斜め」の関係=おじ・おば。歴史を眺め物語をのぞいてみれば、世界中で数多のおじさん・おばさんたちが下の世代のこどもたち──未来の偉人やアーティストたちにあまりに大きな影響力を発揮してきた事実がわかる。まっすぐな道の横から手招く魅惑のおじおばコレクション、待望の文庫化。
解説 山崎まどか
カバー画 MASAMI
カバーデザイン 宮本亜由美
プロローグ
第一章 おじさん・おばさん考現学
おじさん・おばさんの文化人類学/おじさん・おばさんと友愛/アヴァンキュレート ヨーロッパ中世のおじさん
第二章 大いなるおじさん・おばさんたち
ゴッホのおじさん/ストラヴィンスキーのおじさん/ロダンのおじさん・おばさん/ニュートンの姪/ベートーヴェンの甥/おじさんも大統領 二人のローズヴェルト/チェーホフの『ワーニャ伯父さん』/メイムおばさん/グレアム・グリーン『叔母との旅』/E・M・フォースターの大伯母
第三章 おじさん・おばさん一〇〇人
叔父ドガ/叔父の教訓/美しきミュンヒェンの世紀末/ラモーの甥/画商ヴォラール/教育家フレーベル/ツルゲーネフの『貴族の巣』/『エリア随筆』/アクサーコフの幼年時代/ゴーリキーの幼年時代/『若き日の芸術家の肖像』/バーネット『秘密の花園』/ヘンリー・ミラー『わが青春のともだち』/サローヤンのお節介な叔父さん/ろくでなしのおじさんたち/ヘルマン・ヘッセ『青春は美わし』/ギボンの伯母/マリー・キュリーのポーランドの夏休み/マイルスのかっこいい伯父さん/シャガールのたくさんのおじ・おば/ミレーの大叔父/ピカソの伯父さん/闘牛士のおじさん/にんじんの名づけ親/ジャン・クリストフの伯父/アルプスの少女のおじさん/モーパッサン「ジュール叔父」/ソーニャ・コヴァレフスカヤの二人のおじ/カフカのおじさんたち/パリのおじさん/他人のはじまり/未来は未成年が築く/シュヴァイツァーのおじさん/遠い縁者/リルケのおばさん/おじさんのコレクション/アインシュタインの叔父さん/ニールス・ボーアの伯母さん/ロマノフ王家のおじさん/トロツキーの幼年時代/ケストナー『わたしが子どもだったころ』/アーサー・ランサムの大おば/フランクリンの伯父たち/歴史好きの伯父さん/世話好きなおばさん/四人目の叔母さん/おじさんはルーツだ/僕のボブおじさん/金色の時は過ぎ/伯母のための風車/パリ・コミューンと伯父さん/『あしながおじさん』/叔父の妻たち/東と西の結婚/フィレンツェの伯母さん/ポーランドの夜/夢の中の少年時代/こわいおばさんたち/おじさん? いやおばさん?/とんでもない伯父さん/あいまいなおじさん/治療師のおばさんたち/『怒りの葡萄』の伯父さん/悪童とおじさん・おばさん/母の思い出/駄目な叔父さん/道徳伯母さん/金持の伯父からの脱出/ベティ・デイヴィスに会わせて/豪快なオズワルド叔父さん/伯母さんの婚礼衣裳/アラン・レネ『アメリカの伯父さん』/ジャック・タチ『ぼくの伯父さん』/昨日の伯母さん/『山猫』の伯父と甥/ジャッキーの叔母さん/ペレの叔父さん/母方の親類/叔母に育てられて/あまりにも偉大なる親戚たちの中で/モーム『人間の絆』/伯母さんは探偵/伯父さんも探偵/伯母さんは被害者?/おばさんは犯人?/やさしい伯父さん/皇妃エリザベトの伯母/もし伯父さんが…/スタニスラフスキーの伯母さん/人類学者のおばさん/サキの伯母さんたち/遠い親戚の家で/「ルネおばさん」/クララ叔母さんのピアノ/性の目覚め/イザベル叔母さんのギター/マン家のおじさん/未来派風おばさん像/ウィーン世紀末の叔母さん/失われた伯母を求めて
エピローグ――私の伯母さん
あとがき
〈おじさん・おばさん〉参考資料
解説 山崎まどか
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