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ちくま文庫

明るい方へ 父・太宰治と母・太田静子/斜陽日記

『斜陽』のモデル・太田静子と太宰治。娘が描く秘められた愛と真実

『斜陽』のモデル・太田静子と太宰治。二人の娘・治子が描いた秘められた愛と真実。太宰が『斜陽』執筆に際し依拠した静子の日記。名著二冊を合本。

定価

1,430

(10%税込)
ISBN

978-4-480-44030-3

Cコード

0195

整理番号

-79-1

2025/06/10

判型

文庫判

ページ数

480

解説

内容紹介

「書きだしてしばらくは、とても苦しかった。最後まで書き終えることができた時、私の心は明るかった。二人の中の「聖なるもの」を、信じようと思った。」(太田治子)
娘の治子が二人に対して、愛情を込めつつ冷静な筆致で書いた『明るい方へ』。
母・太田静子が疎開中のできごとを中心に書き、父・太宰治が名作のもとにした『斜陽日記』。
「このまま私が死んでいったら、治子はどうして大きくなるのだろう。一人になった治子を、空の上から太宰は見守って下さるのだろうか。」(太田静子)

太宰治が「一ばんいいひととして、ひっそり命がけで生きていて下さい。コヒシイ」と書き送った相手、『斜陽』のモデルとなった太田静子。時間を置いたからこそ見えてきた、二人のあいだの真実とは。
太宰と静子の娘・治子が愛情を込めて書き起こした傑作ノンフィクション『明るい方へ』。貴重な文学的資料であり、太宰が『斜陽』のもととした静子の回想録『斜陽日記』と合本する。

目次

母の糸巻 太田治子 
明るい方へ――父・太宰治と母・太田静子 太田治子 
下曾我/斜陽/めばえ

斜陽日記 太田静子

ちくま文庫版によせる あとがき 太田治子

著作者プロフィール

太田治子

( おおた・はるこ )

太田 治子(おおた・はるこ):1947(昭和22)年神奈川県生まれ。明治学院大学英文科卒業。父は太宰治、母は『斜陽』の主人公・かず子のモデルと言われた太田静子。67年、紀行文「津軽」で婦人公論読者賞受賞。86年『心映えの記』で坪田譲治文学賞受賞。著書に『母の万年筆』『石の花 林芙美子の真実』『時こそ今は』『湘南幻想美術館 湘南の名画から紡ぐストーリー』『幻想美術館 名画から紡ぐストーリー』他多数。

太田静子

( おおた・しずこ )

太田 静子(おおた・しずこ):1913(大正2)年滋賀県生まれ。実践女子専門学校中退。新短歌グループに参加、口語歌集『衣装の冬』刊行。41年、太宰治と邂逅、47年2月に手渡した日記(『斜陽日記』)が名作『斜陽』のもととなる。同年11月、太宰との娘・治子を出産、未婚の母として育て上げる。82年逝去。

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