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ちくま文庫

リチャード・ブローティガン

翻訳者にして友人であった著者が作家の人生と作品を描く44章。

『アメリカの鱒釣り』などが愛され、しかしピストル自殺に至った作家の人生と作品を、翻訳者にして友人であった著者が描く。解説 くぼたのぞみ

定価

1,210

(10%税込)
ISBN

978-4-480-44061-7

Cコード

0195

整理番号

-54-3

2025/10/09

判型

文庫判

ページ数

320

解説

くぼたのぞみ

内容紹介

「あそこに腰かけてる金髪のジーンズ、もしかしたら……。
『アメリカの鱒釣り』の表紙の顔をしている!」
1973年、『アメリカの鱒釣り』を翻訳中だった著者は、
サンフランシスコの日本食堂で作家と偶然に知り合った。
それから10年と少し後、ブローティガンは自らの命を絶つ。

『アメリカの鱒釣り』などでアメリカ、そして日本でも一世を風靡した作家リチャード・ブローティガン。「亡霊」となった少年時代、カリフォルニアへの旅立ち、作家としての成功と苦悩、日本での友情と孤独、ピストル自殺……翻訳者にして友人であった著者が、作家との思い出、家族・友人へのインタビュー、作品のすぐれた読解をもとに、その人生と文学をたどる。

解説 くぼたのぞみ

誰よりも優しく、誰よりも厳しく作品を読み進め、
一人の作家のもっとも大切な資質に切り込んでいく、そのしなやかさ。
藤本和子によるリチャード・ブローティガン翻訳・読解は、
すべての翻訳者にとっての鑑である。
―柴田元幸

目次

遺体のかたわらの詩―プロローグ  

ⅰ 生と死
死亡記事―父と母  
死者についての発言  
切れた糸  
はじまりと終わり  
遺子アイアンシ  
だれかが帰らなければ  
雨のオレゴンから、陽光のカリフォルニアへ  
鮭のスフレでも  
書くことしか考えなかった  
故郷という亡霊  
「新幹線のラザロ」  
長谷川四郎とバーベリと―三角関係  
アイアンシの十四年  

ⅱ 『アメリカの鱒釣り』
鱒釣りの旅への招待状  
紙の幽霊  
酔いどれから学んだこと 
「海洋文学」の系譜 
失意の階段から黙示の世界へ  
聖なる者  
ある映写技師の死 
悪しき風  
鱒は知っていた  
マヨネーズ  

ⅲ おだやかでない風景
寄宿詩人  
女アル・カポネ  
文学との最初の出会い  
戦争。その影。  
呪われた時間  
イサーク・バーベリの原風景  
おだやかでない風景  

ⅳ ふたつの戦記
ビッグ・サーという場所  
しけもく戦記  
バーベリの『赤軍騎兵隊』  
夢の果てまで旅をして  
通過儀礼  

ⅴ 終末
メランコリー  
椎名たか子さんの回想  
書かれた世界という秘儀 
忍耐で風化した顔 
アイアンシの考え  
終末  
閉じられた円環  

異邦人―エピローグ  

おもな参考文献  
あとがき
  
解説 くぼたのぞみ 

著作者プロフィール

藤本和子

( ふじもと・かずこ )

藤本和子(ふじもと・かずこ):1939年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。1967年渡米、ニューヨークの日本領事館に勤務した後、イェール大学のドラマ・スクールで学ぶ。その後、リチャード・ブローティガンの作品をはじめ、多くの翻訳を手がける。本書の他の著書に『ブルースだってただの唄』『イリノイ遠景近景』(ちくま文庫)、『塩を食う女たち』(岩波現代文庫)、『砂漠の教室』(河出文庫)、『新装版 ペルーからきた私の娘』(晶文社)など、訳書にリチャード・ブローティガン『アメリカの鱒釣り』『芝生の復讐』(新潮文庫)、マキシーン・ホン・キングストン『チャイナ・メン』(新潮文庫)、トニ・モリスン『タール・ベイビー』(ハヤカワepi文庫)などがある。

寄せられたコメント

誰よりも優しく、誰よりも厳しく作品を読み進め、 一人の作家のもっとも大切な資質に切り込んでいく、そのしなやかさ。 藤本和子によるリチャード・ブローティガン翻訳・読解は、 すべての翻訳者にとっての鑑である。
──

柴田元幸

さん

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