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ちくま学芸文庫

陸軍将校の教育社会史(上)

——立身出世と天皇制

戦時体制を支えた精神構造は、「滅私奉公」ではなく「活私奉公」だった。第19回サントリー学芸賞を受賞した教育社会史の傑作が、待望の文庫化!

第19回サントリー学芸賞

定価

1,320

(10%税込)
ISBN

978-4-480-51053-2

Cコード

0121

整理番号

-19-1

2021/07/08

判型

文庫判

ページ数

352

解説

内容紹介

天皇制イデオロギーの「内面化」が、戦時体制を積極的に担う陸軍将校を生み出したというのは真実か。本書は、膨大な史料を緻密に分析することを通じて、従来の前提とされていた言説を鮮やかに覆していく。戦前・戦中の陸軍将校たちは、「滅私奉公」に代表されるような従来のイメージとは異なり、むしろ世俗的な出世欲をもつ存在だった。秩序への積極的な同化こそが、陸軍将校を生んだ。上巻には、「〈序論〉 課題と枠組み」から「〈第2部〉 陸士・陸幼の教育」第2章までを収録する。第19回サントリー学芸賞受賞作。

目次

序論 課題と枠組み
第1部 進路としての軍人(陸士・陸幼の採用制度の変遷と競争の概観
下士から将校への道
進学ルートとしての評価
将校生徒の社会的背景)
第2部 陸士・陸幼の教育(教育目的とカリキュラム
教育者と被教育者)

著作者プロフィール

広田照幸

( ひろた・てるゆき )

1959年生まれ。現在、日本大学文理学部教育学科教授。研究領域は、近現代の教育を広く社会科学的な視点から考察する教育社会学。1997年、『陸軍将校の教育社会史』(世織書房)で第19回サントリー学芸賞受賞。著作に『教育は何をなすべきか――能力・職業・市民』(岩波書店)、編著に『歴史としての日教組』(名古屋大学出版会)など多数。

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