森安達也
( もりやす・たつや )1941-1994年。東京生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業、東京大学大学院西洋古典学修士課程修了、同博士課程中退。専攻、スラブ文献学、キリスト教史。1974-76年ワルシャワ大学東洋学研究所講師。東京大学教養学部助教授を経て同教授。
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東方キリスト教は、ロシア正教など東ヨーロッパを中心に広がる東方正教会や、主に中東で広まった東方諸教会などを包括するものである。使用言語も多岐にわたりその歴史も複雑なため、日本語での情報は限定されてきた。本書はそうしたなかで、長らく基本情報を提供してきた名著だ。西洋古典学・ビザンツ学・スラヴ文献学の横断的研究で傑出した業績を残した研究者が、東方キリスト教全体を扱いつつも、教義や歴史にとどまらず、巡礼・神秘思想・教会建築・イコン・天国/地獄表象など幅広く信仰文化にまで踏み込む。 解説 浜田華練
1(東方キリスト教の世界
東方正教会における旧約正典をめぐって
ビザンツ帝国における教養と信仰
東方正教会の神秘思想―ヘシュカスモス論争をめぐって
巡礼と東方教会
十字軍と東方教会
イコノスタシスの空間表現
ボスニア教会をめぐって
カトリック的スラヴ圏と正教的スラヴ圏のはざま―ポーランドとウクライナの宗教問題
童貞聖マリアと生神女―ポーランドにおけるマリア信仰と東方的要素)
2(天国の形象
地獄の形象
正統と異端のあいだで
ロシアとキリスト教
ロシア宣教一〇〇〇年を迎えて
日本人とギリシア正教)
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