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ちくま学芸文庫

「物質」の蜂起をめざして

——レーニン、〈力〉の思想

危機の時代に、その思想を再び問う

なぜその思想は世界を変える力をもちえたか。フロイト、宇野弘蔵らと対決させ、現代にレーニンの衝撃を呼び戻さんとする画期的論攷。解説 細見和之

定価

1,870

(10%税込)
ISBN

978-4-480-51253-6

Cコード

0110

整理番号

-46-1

2024/09/10

判型

文庫判

ページ数

560

解説

細見和之

内容紹介

なぜその思想は世界を変える力をもちえたか。フロイト、宇野弘蔵らと対決させ、現代にレーニンの衝撃を呼び戻さんとする画期的論攷。解説 細見和之

===
ソ連という実験が無惨な失敗を遂げた後に、なおレーニンを語る意義とは何か。著者はその答えを求め、レーニンの思想をフロイト、マレーヴィチ、宇野弘蔵らと対決させつつ、「モノたちのざわめき」に耳を傾けていく。探求の先に見えてくるのは、彼のように考え、行動することの真の意味だ。著者曰く、レーニンの思想の偉大さはその社会科学的な価値ではなく、「物質」という外部を露呈させ、世界を解体・再組織化しようとする運動、すなわち〈力〉にある。現に彼はかつて世界のあり方を、そして私たちの世界に対する見方を決定的に変えてみせたのだから。現代にその衝撃を呼び戻さんとする卓抜のレーニン論。

目次

増補新版まえがき――なぜ、あなた方はレーニンを読まないのか?
はしがき――幾多の出会いそこねを超えて
序論 レーニンと二〇世紀

第一部 思想史上のレーニン
はじめに
第一章 歴史の〈外部〉への跳躍――レーニンのスプレマチズム
第二章 〈物質〉の叛乱のために――唯物論とテクノロジー  
第三章 マルクスを受け継ぐこと――不均等発展論と十月革命  
第四章 〈力〉の秩序としてのコミュニズム――無国家社会の倫理的基礎

第二部 現代思想としてのレーニン
はじめに  
第五章 民主主義とその不満――レーニン、フロイト、ラディカル・デモクラシー  
第六章 実在論の政治学――レーニンとネグリ
第七章 経済学と革命――宇野弘蔵におけるレーニン

補論 終末の認識論――レーニン〈再見〉に寄せて
結論 「モノ」のざわめきから新たなるコミュニズムへ
付録一 われわれにとっての『国家と革命』
付録二 二一世紀世界の〝欲望?として再生するレーニンのユートピア  
注/旧版あとがき/文庫版あとがき/解説 戦後日本の救済者(細見和之)/研究・参考文献/索引

著作者プロフィール

白井聡

( しらい・さとし )

白井 聡(しらい・さとし):1977年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。一橋大学大学院社会学研究科総合社会科学専攻博士後期課程単位修得退学。博士(社会学)。現在、京都精華大学教員。専門は、政治学、社会思想。おもな著書に、『未完のレーニン――〈力〉の思想を読む』(講談社学術文庫)、『武器としての「資本論」』(東洋経済新報社)、『永続敗戦論――戦後日本の核心』(講談社+α文庫、第35回石橋湛山賞、第12回角川財団学芸賞)、『国体論――菊と星条旗』(集英社新書)などがある。

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