紀田順一郎
( きだ・じゅんいちろう )紀田 順一郎(きだ・じゅんいちろう):1935年、横浜生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。評論家、作家。近代史、出版論、書誌、言語とコンピュータなどの分野で旺盛な評論活動を展開、推理小説も手がける。著書に『古本屋探偵の事件簿』『東京の下層社会』『幻想と怪奇の時代』(2008年度日本推理作家協会賞)『蔵書一代』など、訳書に『M・R・ジェイムズ怪談全集』など多数。三一書房より『紀田順一郎著作集』(全8巻)が刊行されている。
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双六、丁半、花札、富くじ……。賭博は古代より日本社会に存在し、貴族の社交の嗜みとして、武士の陣中の慰みとして、また庶民のエネルギー発散のはけ口として、あらゆる階層の人々を虜にしてきた。本書では、現在もなお残る定番の賭け事から、忘れ去られた昔の流行物、果てはイカサマの技術に至るまでの数々を紙上に再現。権力による禁圧の裏で新たな賭博が次々と生み出されてきた様を、豊富な図版とともに活写する。賭博という人間存在を語るうえで不可欠な現象に着目することで、時代の性格や民衆の感情の新たな側面が見えてくる。類書のないギャンブル日本史。 解説 檜垣立哉
第一章 賭博史話
1 賭博の起源
2 古代の賭博
3 乾坤一擲の思想
4 江戸時代の賭博
5 賭博の定義と分類
第二章 近世賭博要覧
1 開 帳
2 江戸サイコロ賭博
3 江戸カルタ賭博
4 花合わせ(花札)
5 富 突
6 文芸賭博
7 ゼニとクジ
8 弓矢賭博
9 動物賭博
10 雑賭博
11 手目(詐欺)賭博
第三章 明治賭博史
1 変革期の賭博
2 競 馬
3 チーハー
4 明治の富くじ
5 花札(弄花)
6 トランプ・骨牌
7 撞球(玉突き)
8 天災・チイッパ
9 明治の詐欺賭博
10 〈社会〉賭博
第四章 現代賭博論
1 大正昭和の賭博
2 競馬・競輪・パチンコ
3 現代の富くじ
あとがき
主要参考文献
解説(檜垣立哉)
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