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ちくま学芸文庫

インド哲学 七つの難問

名付け、因果、知識、無我。インド哲学はこう考えた!

インド哲学の長大な歴史のなかで追究されてきた、数々の疑問。存在論・自我論・因果論などの議論を、西洋哲学も参照しつつ整理する野心的な試み。

定価

1,320

(10%税込)
ISBN

978-4-480-51305-2

Cコード

0110

整理番号

-11-2

2025/06/10

判型

文庫判

ページ数

272

解説

内容紹介

「有る」あるいは「無い」とは何か? 本当の「自己」とは何か? 何かが何かの原因になるとはどのようなことか? インド哲学の長大な歴史のなかで追究されてきた数々の疑問。本書は、西洋哲学における存在論・認識論・自我論・因果論などの議論展開も参照しながら、古典文献学・インド思想史の枠をこえてそれらの難問に接近する、野心的な試みである。ことば、存在、自己、名付け、因果、知識、無我──もっとも根源的な七つの問いを軸に、明快かつ刺激的な筆致に導かれつつ、インド哲学の深部に迫る一冊。

目次

序 インド哲学は哲学である……

第一問 ことばには世界を創る力があるのか?
1 真実のことばは世界を創る
2 真実、戒、誓戒
3 菩薩の波羅蜜と誓願

第二問 「有る」とは何か、「無い」とは何か?
1 唯名論における有
2 実在論における有
3 絶対無とは何か
4 無は知覚できるか

第三問 本当の「自己」とは何か?
1 自己と心身の異同
2 自己認識の可能性
3 自己と世界の関係

第四問 無我説は成り立つか?
1 非我説から無我説へ
2 唯名論からする無我説……
3 現象主義からする無我説
4 輪廻に自己はいらないとする無我説

第五問 名付けの根拠は何か?
1 語の適用根拠としての普遍と特殊
2 普遍と特殊の用語法

第六問 知識は形をもつか?
1 有形象知識論
2 無形象知識論における知識の真偽

第七問 どのようにして、何が何の原因なのか?
1 二つの因果論
2 無分別知と有分別知―その因果関係

著作者プロフィール

宮元啓一

( みやもと・けいいち )

宮元 啓一(みやもと・けいいち):1948年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。文学博士。現在、國學院大學名誉教授。専攻、インド哲学・仏教学。主な著訳書に『仏教誕生』、『インド哲学の教室』、『わかる仏教史』、『新訳 ミリンダ王の問い』、『インド哲学教室①インドの死生哲学』、『インド哲学教室②インドの唯名論・実在論哲学』などがある。

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