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ちくま学芸文庫

なにも見ていない

——名画をめぐる六つの冒険

絵を見るという営みの本質に迫る、革新的絵画論

絵画を鑑賞するとき、私たちはどれだけ作品それ自体を観察しているだろうか。名画の細部に着目することでその知られざる一面を明らかにする好著。

定価

1,430

(10%税込)
ISBN

978-4-480-51330-4

Cコード

0170

整理番号

-53-1

2026/01/08

判型

文庫判

ページ数

304

解説

内容紹介

絵画を見るとき、私たちはどれだけその作品のことをきちんと見ているだろうか。あらゆる美術作品にそれらしい説明を加えてみせる図像学(イコノグラフィー)は、一見作品を丁寧に読み解いているようで、実は紋切り型の解釈に押し込め、通り一遍の主題に還元しているだけではないか。本書では、「細部」に着目したアプローチでフランス美術史学の新たな地平を開いた著者が、ベラスケス《ラス・メニーナス》、フランチェスコ・デル・コッサ《受胎告知》、ティツィアーノ《ウルビーノのヴィーナス》などの名画を意外な着眼点から読み解いていく。絵画を見ることの真の魅力をユーモアたっぷりに伝える好著。

目次

親愛なるジュリア
ティントレット《ウルカヌスに見つかったマルスとウェヌス》

カタツムリのまなざし
フランチェスコ・デル・コッサ《受胎告知》

黒い目
ブリューゲル《東方三賢王の礼拝》

マグダラのマリアのヘアー

カッソーネのなかの女
ティツィアーノ《ウルビーノのヴィーナス》

巨匠の目
ベラスケス《ラス・メニーナス》

旧版訳者あとがき/ちくま学芸文庫版訳者あとがき 

著作者プロフィール

ダニエル・アラス

( あらす,だにえる )

ダニエル・アラス(Daniel Arasse):1944-2003年。オラン(現アルジェリア)生まれの美術史家。イタリア・ルネサンスを専門とし、パリ第一大学、パリ社会科学高等研究院などで教鞭をとる。「細部」に着目したアプローチで知られ、フランスにおける新しい美術史学の旗手として活躍した。おもな邦訳書に『モナリザの秘密』『ギロチンと恐怖の幻想』などがある。

宮下志朗

( みやした・しろう )

宮下志朗(みやした・しろう):1947年、東京都生まれ。東京大学名誉教授・放送大学名誉教授。専門は、フランス文学および書物の文化史。おもな著書に『パリ歴史探偵』『モンテーニュ』などが、おもな訳書にラブレー『ガルガンチュアとパンタグリュエル』、モンテーニュ『エセー』、フランソワ・ヴィヨン『ヴィヨン全詩集』などがある。

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