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ちくま学芸文庫

歴史哲学最終講義

思想はここに極まる

ヘーゲル終焉の年に行われた「世界史の哲学」講義筆記録の新訳。歴史を通し精神の本質をなす自由はどう実現されたか。思想の最終到達点が示される。

定価

1,980

(10%税込)
ISBN

978-4-480-51335-9

Cコード

0110

整理番号

-10-3

2026/01/08

判型

文庫判

ページ数

672

解説

内容紹介

「世界史は自由の概念の発展である」と主張し、その過程を縦横に語った講義「世界史の哲学」。長らくヘーゲルの入門書として読まれてきた『歴史哲学講義』は、恣意的な編集によって歪められたものであったため、多くの誤解を生んできた。アカデミー版全集に基づいた新訳は、真のヘーゲル像を明らかにする。10年間になされた講義のなかでも1830/31年冬学期の講義は特に重要だ。中国、インドなどの東方世界の歴史から、ギリシア、ローマ、ゲルマンへと辿り、フランス革命後の激動期を考察する。それはヘーゲル最後の国家論・政治哲学の卓抜な洞察であり、現代の自由主義論争にも大きな示唆を与える。

目次

目訳者による序
凡 例
訳注の凡例

世界史の哲学への序論
はじめに
一 世界史の哲学の普遍的な目的は客観的な目的
二 究極の目的設定の内容
三 世界史の歩み

世界史の哲学
一 地理学的三区分 
二 世界史の時代区分

第一章 東方世界
一 中国
二 インド
三 ペルシア帝国
四 エジプト

第二章 ギリシア人
第一期 ギリシア世界の起源と形
第二期 ペルシア戦争からアレクサンドロス大王の東方遠征まで
第三期 ギリシアの没落

第三章 ローマ人
第一期 ローマの起源と強国への発展
第二期 第二次ポエニ戦争から帝政成立まで
第三期 帝政時代

第四章 ゲルマンの国

第一期 ゲルマン諸民族の登場
第二期 中世
第三期近世

訳者あとがき
事項索引
人名索引

著作者プロフィール

G.W.F.ヘーゲル

( げおるく.ヴぃるへるむ.ふりーどりひ.へーげる )

G.W.F.ヘーゲル(Georg Wilhelm Friedrich Hegel):1770-1831年。近代ドイツを代表する哲学者。人間の意識、社会、国家、芸術、文化という精神の現象は、過去の遺産にして賜物でありながら、今まさに変容のさなかにある。人間の精神が歴史に深く根ざしていることを解明した「歴史の哲学者」。著書に『精神現象学』『法哲学』『エンチクロペディー』、講義録に『歴史哲学』『宗教哲学』『美学』など。

松田純

( まつだ・じゅん )

松田 純(まつだ・じゅん):1950年新潟県生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程単位修得。博士(文学)。静岡大学名誉教授。著書に『ヘーゲル歴史哲学の実像に迫る』(知泉書館)など。訳書に『宗教哲学講義』(山﨑純名義、講談社学術文庫)など。

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