木山 捷平(きやま・しょうへい):1904-68年。岡山県生まれ。東洋大学中退。はじめは詩を書いていたが、1933年、太宰治らと同人誌「海豹」を創刊し小説家としても才能を開花させる。ついで保田与重郎の「日本浪漫派」に参加。終戦間際に満州にわたり現地招集を受け苦労した。この体験をユーモアまじりに書いた「長春五馬路」がある。帰国後、不遇の生活を送るが1956年、「耳学問」でユニークな庶民派作家として注目を集める。日常のつましい哀歓を軽妙に描きつづけた。1963年、『大陸の細道』で芸術選奨文部大臣賞受賞。