太宰治賞
第35回

2019/05/07

第35回太宰治賞受賞作が決定いたしました!
 2020年5月8日(金)、第36回太宰治賞(筑摩書房・三鷹市共同主催)の最終選考が実施され、選考委員四氏(荒川洋治、奥泉光、中島京子、津村記久子)による厳正な選考の結果、以下のように受賞作が決定しましたので、お知らせいたします。


第36回太宰治賞受賞作
「空芯手帳」八木詠美


【あらすじ】
  紙管製造会社に勤める柴田は、女性だからという理由で雑用をすべて押し付けられ、上司からはセクハラ紛いの扱いを受ける34歳。ある日、はずみで「妊娠した」と嘘を吐いたことをきっかけに、“にせ妊婦”を演じる生活が始まってしまう。しかしその設定に則った日常は思いがけず快適で、空虚な日々はにわかに活気づいていった。
 やがてマタニティエアロビに精を出し始めた柴田は、そこで知り合った妊婦仲間との交流を通して“産む性”の抱える孤独を知ることになる。表面的な制度や配慮だけは整っていく会社、ワンオペ育児や産後うつに苦しむ女性たち……現実は「産んでも地獄、産まぬも地獄」だった。柴田は小さな噓を育てることで自分だけの居場所を守ろうとしていた。
 そしてついに、ぶじ妊娠40週めをむかえた柴田の「出産」はいかなる未来を切り開くのか――。


著者略歴
八木 詠美 (やぎ・えみ)
長野県出身、東京都在住。
1988年生まれ、31歳、女性。

なお、 贈呈式は6月16日(火)午後6時から三鷹市役所3階・市長公室で開催され、受賞者には記念品および賞金100万円が当日贈呈されます。
(新型コロナウイルスの影響を考慮し、今回は規模を縮小し非公開にて開催致します。例年開催されていた贈呈式後の記念パーティーは中止致します。新型コロナウイルス感染拡大の状況によって、贈呈式の開催を延期・中止する可能性もあります)

いま話題の本