ちくまの教科書 > 国語通信 > 連載 > 「高ため」を黙読する授業第五回(1/6)
(この連載は、機関誌『国語通信』1996年春号~1999年春号に掲載された文章を転載したものです。)
服部左右一(はっとり・さういち)
愛知県立小牧高等学校教諭
元愛知県立小牧工業高等学校教諭
『高校生のための文章読本』編者
筑摩書房教科書編集委員
長年「表現」分野の指導メソッド開発に携わる。
第1回 わたしのアンソロジー
第2回 密室をつくる
第3回 逆習シール
第4回 テキストを編集する
第5回 モーツァルトへの手紙
第6回 教室に風を入れる
第5回 モーツァルトへの手紙
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1 転勤した学校で

 この四月にとなりの普通高校に転勤した。教員になって初めての異動で戸惑いもあったが、転任後初めての打ち合せで三年生を一緒に担当することになった二人の同僚に現代文の中で表現の授業をやりたいと提案したところあっさりと受け入れられ、科会でも認められ、四月末にはテキスト(『高校生のための文章読本』『表現ワークブック わたしの作品集』)もそろい、一年目が始まった。

 前任校の小牧工業高校で同僚三人と共同して作り上げてきた表現の授業がカリキュラム化され教科書にもなって四年がたった。来年度からは改訂版になる。この教科書は全国の二百校以上の高校で採用されていると聞いているが、実際の授業でどのように活用されているか、その反響を含め授業での実態がぼくたち著者の耳にあまり入ってこない。ほとんど男子生徒だけを対象にして十数年続けてきた授業の実践だったから、それはそれとしてユニークな試みを行なうことができたのだが、男女同数くらいの、授業内容もいわば平均的な高校で行なうとどうなるかが最近の関心事になっていたのだった。

 転勤した高校は同じ市内にある旧制中学校の校風を受け継ぐ伝統校で、現在では女子がやや多い普通高校である。話し合いの結果、今年は、三年生八クラスの現代文四単位のなかの一~二単位を表現の時間に充てることになった。

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