植木雅俊
( うえき・まさとし )1951年生まれ。仏教思想研究家。九州大学大学院理学研究科修士課程修了、東洋大学大学院文学研究科博士後期課程中退。東方学院で中村元氏のもとでインド思想・仏教思想、サンスクリット語を学ぶ。人文科学博士。著書『サンスクリット原典現代語訳 法華経』、『梵漢和対照・現代語訳 法華経』(毎日出版文化賞)、『思想としての法華経』(以上、岩波書店)、『仏教学者 中村元』(角川選書)、『仏教、本当の教え』(中公新書)など。
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法華経と日蓮
その本当の教えに迫る
『御義口伝』は、日蓮が身延山で口述した法華経についての講義を、弟子の日興が筆録したものとされるが、その難解さ故に解説書は少ない。そこに展開されている日蓮の法華経解釈、ひいてはその底流にある仏教思想を、NHK「100分de名著」の名講義でも知られる著者が懇切丁寧に解説する。南無妙法蓮華経と唱えるのは、失われた自己を回復し、真の自己に目覚め、人格を完成させるためだと日蓮は説く。そうした日蓮の人間主義の思想を、『御義口伝』をテーマ別に再編成しつつ読み解く。
はじめに
総 論 南無妙法蓮華経とは
第一章 自己の探求
第二章 汝自身を知れ
第三章 日蓮の時間論
第四章 普遍思想としての人間尊重
第五章 日蓮の男性観・女性観
第六章 人間離れした諸仏・菩薩への批判
第七章 神通力の意味の塗り替え
第八章 仏教における信
第九章 日蓮の仏国土観
第十章 日蓮の死生観
参考文献
あとがき
索引
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