山竹伸二
( やまたけ・しんじ )1965年生まれ。著述家。学術系出版社の編集者を経て、現在、哲学・心理学の分野で批評活動を展開。大阪経済法科大学客員研究員。著書『「認められたい」の正体』(講談社現代新書)、『不安時代を生きる哲学』(朝日新聞出版)、『「本当の自分」の現象学』(NHKブックス)など。
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人間はなぜ心を病むのか?
現代人の心理を洞察した
天才による未来への遺産
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フロイトの慧眼は人間論にある。人間の欲望と不安に関するフロイトの深い洞察にこそ、普遍的な人間性の本質がある。人間性に関するフロイトの理論――幼児性欲論やエディプス・コンプレックス、リビドー論、去勢不安など――は独特な仮説で、科学的に証明できない。だがその理論が指し示す現象の意味を吟味し、仮説の裏側にある本質を考察するという「本質学の観点」から諸理論を捉えなおせば、現代的な意義が明らかになり、見過ごされてきたほんとうのフロイト像が見えてくる。
序 章 精神分析の世紀
第1章 心の治療の革命家――精神分析のはじまり
第2章 無意識のはたらき――前期における無意識の考察
第3章 欲望の精神分析――中期における性欲論の展開
第4章 自己の精神分析――後期における自我論の確立
第5章 神経症とは何か?――精神病理の本質
第6章 精神分析とは何か?――心の治療と技法の本質
第7章 人間とはどのような存在か?――解釈の妥当性をめぐる二つの視点
終 章 現代社会におけるフロイト思想
あとがき
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