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筑摩選書

情報敗戦

——日本近現代史を問いなおす

80年前、そして現在―― なぜ日本は負け続けるのか?

戦後80年を経て日本はなぜ再び情報敗戦に直面しているのか。松本清張やアレントらの視点に学び、日本社会に隠された情報のカラクリを暴き、歴史の虚実を検証する。

定価

2,090

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01819-9

Cコード

0321

整理番号

0301

2025/04/15

判型

四六判

ページ数

352

解説

内容紹介

この国において、政府やメディアなど権力の「大本営発表」への批判精神が皆無なのは八十年前と同じ。知識人も庶民もしっかりとした歴史を見る眼を持たず、歴史に無関心なため、いま再び「情報敗戦」に直面しているのだ。正しい歴史観を持たない限り、日本は今後も新たな敗戦への道をひた走るだけだろう。松本清張や辺見庸、アレントやサイード等々、内外の知識人たちの遺してきた貴重な史論や思想を手掛かりに、日本社会に隠された「情報のカラクリ」を暴き、歴史の虚実を検証する。

目次

はじめに――「情報のカラクリ」

序章 問題の発見
 1 没落の止まらない日本
 2 グローバルサウスの台頭が揺るがす世界
 3 「blowback(報復・因果応報)」
 4 2024年12月――激震を予兆させる情報

第1章 史観で眺める日本
 1 蔓延するニヒリズム
 2 「和」という階層序列
 3 近代の序曲「脱中世」の有無

第2章 「昭和維新」と満洲
 1 「昭和維新」の衝撃
 2 満洲移民

第3章 清張史観の遺したもの
 1 日本の権力は「神輿」
 2 機能不全の司令塔
 3 ルサンチマン考
 4 日本の孤立

第4章 戦後日本とは何か
 1 象徴という権力
 2 戦争体験者の声
 3 風土は変わるか?
 4 風土に巣食う闇と病み
 5 外から吹く風
 6 多様化する世界

第5章 世界史的大転換
 1 戦後80年(2025年8月)を前に
 2 可視化された従属
 3 歴史に学ばず
 4 日本の情報空間の闇

第6章 人間とは何か
 1 説明不能な日本
 2 「オメルタ(マフィアによる沈黙の掟)」
 3 世界を知らず、己も知らず
 4 「和」というイデオロギー
 5 消えた「大人」

第7章 「民主主義は暗闇の中で死ぬ」(Democracy Dies in Darkness)
 1 会社主義の顛末
 2 野蛮な「イエ社会」
 3 つくられた「幼児性」
 4 「731」残党から韓国激震までを読む
 5 「法治」なき社会を生きる
 6 鳴り響く警鐘
 7 官僚制は民意を無視する
 8 「史観」の攻防
 9 「庶民」というアイデンティティ
 10 大学の凋落(高等教育の空洞化)

結章 絶望に抗う
 1 ブラウンとカズンズ
 2 変わらない自画像
 3 情報のメッセージを読む
 4 存亡の危機迫る時代を突破できるか?

あとがき――なき妻へ

著作者プロフィール

中尾茂夫

( なかお・しげお )

中尾 茂夫(なかお・しげお):1954年生まれ。長年にわたって、大阪と東京で大学教員を務める。現在は東京を離れ、作家。経済学博士。海外での客員教授や研究員歴が多く、著書は『ジャパンマネーの内幕』(岩波書店、第32回エコノミスト賞)、『日本が外資に喰われる』『世界マネーの内幕』(ともにちくま新書)ほか多数。

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