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筑摩選書

江戸・東京水道全史

経営史を専門とする水道のプロが放つ 決定版水道史

複雑な地形を利用して作られた江戸の水道は、いかにして現代に引き継がれてきたか。東京都水道局に長年勤務した著者による、世界屈指の都市東京の決定版水道史。

定価

2,420

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01820-5

Cコード

0321

整理番号

0302

2025/04/15

判型

四六判

ページ数

420

解説

内容紹介

徳川家康による都市建設の当初から、江戸の水道は高低差を緻密に計算し、複雑な地形を利用する形でつくられてきた。中心部の小石川上水、それを発展させた神田上水、そして玉川上水を基盤とした水道は、明治以降には近代化され引き継がれてきた。急速な工業化や関東大震災からの復興、戦後復興・高度成長を経て水道がいかに拡張され、また経営されてきたか。江戸・東京の経営史を専門とし、東京都水道局に長年勤務してきた著者による、世界屈指の都市の決定版水道史。

目次

プロローグ

I 江戸時代
第1章 家康と水道
1 家康の江戸入り
2 江戸・東京の自然地形
3 江戸城周辺の地形
4 江戸入り直後の工事──最初から水道を整備

第2章 天下普請の時代
1 江戸の天下普請
2 第二次天下普請
3 本郷台の開発と平川放水路
4 第三次天下普請から神田川整備工事まで──谷筋を利用した外濠

第3章 城下町・江戸と神田上水
1 小石川から神田上水へ
2 上水の布設ルートの検討
3 小石川上水と神田上水のルート
4 江戸図と神田上水
5 神田上水の樋線網

第4章 玉川上水の新設
1 水道需要の増加と限界に達した神田上水
2 玉川上水の新設
3 玉川上水と地形
4 玉川上水と野火止用水
5 玉川上水の拡張

第5章 上水経営の実際
1 江戸上水の経営
2 上水経営の仕組み
3 上水経営のための財務システム
4 『上水記』と石野広通
5 現代につながるシステム

第6章 武蔵野台地の井戸と分水
1 武蔵野台地と井戸
2 新田開発と分水

II 明治時代~現代
第7章 近代水道にいたる道のり
1 東京が引き継いだ江戸の水道
2 水道改良に向けて
3 市制町村制と三都の特例
4 中島鋭治による設計変更
5 鉄管の問題
6 三多摩の東京府編入と水道の関係

第8章 近代水道の成立と関東大震災──拡張の始まり
1 近代水道の管路網
2 近代水道の配水系統
3 二重のループ化と隅田川東岸への給水
4 関東大震災と東京水道の復興
5 拡張と重なった震災復興

第9章 大東京と水道
1 隣接五郡の人口急増
2 隣接五郡の水道
3 買収された玉川水道
4 戦時体制下の拡張事業

第10章 拡張に次ぐ拡張の時代──戦災復興期から高度経済成長期まで
1 東京の爆発的な拡大と水道──江戸・東京の水不足体質は四〇〇年も続く
2 戦後復興とインフレ
3 戦争で中断していた拡張事業の再開
4 新たな拡張の時代へ──利根川水系の開発の本格化
5 水源は多摩川から利根川に

第11章 量から質へ──低成長時代から現在まで
1 水道サービスの質的な向上
2 東京の産業構造の変化と工業用水道の消長
3 多摩地域の発展と水道の都営一元化
4 水道をとりまく環境の変化
5 これからの水道

あとがき
索引

著作者プロフィール

鈴木浩三

( すずき・こうぞう )

鈴木 浩三(すずき・こうぞう):1960年東京生まれ。中央大学法学部卒。筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業科学専攻修了。博士(経営学)。東京都水道局勤務。経営史家。主に経済・経営の視点から近世を研究している。著書『江戸の都市力』『地形で見る江戸・東京発展史』(以上、ちくま新書)、『江戸の風評被害』(筑摩選書)など。

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