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ちくま新書

科学技術と現代政治

定価

726

(10%税込)
ISBN

978-4-480-05852-2

Cコード

0240

整理番号

252

2000/06/19

判型

新書判

ページ数

240

解説

内容紹介

近代西欧科学技術で武装し、資源を求めてアジアへの侵出を謀った戦前の日本、そして民意を無視し、巨大なリスクを顧みずに推進される戦後日本の原子力政策。そこには世界の「孤児」と化してゆく、共通した無責任の政治構造が浮かび上がる。二十一世紀を迎えるにあたり、科学史的観点から、その歴史的根源を撃ち、科学技術の「環境資源論的転回」の必要性を訴え、人心を荒廃させずにはおかない競争至上の新自由主義政治経済から、生活の質を重視する社会構築への転換を迫る。

目次

第1章 女性として科学技術社会を生きる(近代日本史における一女性―母のたどった道
戦後史における私
女性は科学技術といかに関係するか? ほか)
第2章 西欧の科学革命と東アジア(「十七世紀の科学革命」とはなんだったのか?
科学革命の古代・中世的起源
科学革命の世界史的衝撃―「科学帝国主義」 ほか)
第3章 脱原子力への道と現代日本の技術政策(原子力テクノロジー「安全神話」の瓦解―1999年秋、東海村臨界事故の意味
戦争遂行政策と戦後原子力政策のアナロジー―「国策民営」政策のなかの原子力
現代日本政治思想のスペクトルと原子力 ほか)
第4章 二十一世紀資本主義と環境社会主義(新しい世紀へ―思想の「冬の時代」の終焉
環境と資源に関する「ヴィジョン2050年」―プルトニウム・リサイクル路線か、脱原子力への道か?
90年代日本の政治経済を振り返る―新自由主義政策の破綻 ほか)

著作者プロフィール

佐々木力

( ささき・ちから )

1947年宮城県生まれ。東北大学大学院で数学を学び、プリンストン大学Ph.D.(歴史学)。東京大学大学院総合文化研究所(数理科学研究科兼担)前教授。オイラー研究所名誉所長。著書:『科学革命の歴史構造』、『近代学問理念の誕生』(サントリー学芸賞)、『科学論入門』(以上、岩波書店)、『デカルトの数学思想』(東京大学出版会)、『数学史入門』、『21世紀のマルクス主義』(以上、ちくま学芸文庫)、Descartes’s Mathematical Thought(Kluwer Academic Publishers), Introducao a Teoria da Ciencia (Editora da Universidade de Sao Paulo,上記『科学論入門』のポルトガル語版)ほか。

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