ちくま新書
歴史学はこう考える
松沢裕作
著
loading...
泉鏡花は劇的である。血なまぐさくも美しく、おどろおどろしくも繊細なその世界は、私たちの目に耳に、直接訴えかけてくる。だから、鏡花を語るには、「文学」研究という限られた領域だけではすまされない。実際、鏡花作品は、舞台化・映画化されるたびに、新しく生まれ変わってきた。本書では、映画化・舞台化作品と比較することで、視聴覚的な要素を取り込んだ豊饒なる泉鏡花―その文字どおりドラマティックな世界に切り込む。
第1章 『日本橋』―新派・映画・挿絵と鏡花(絢燗たる視聴覚的要素
「回想」の演劇的性格
新派様式美と鏡花)
第2章 『夜叉ヶ池』―映画と漫画による展開(古典と近代との接点
映画、漫画による視覚的展開)
第3章 『草迷宮』―その“ネオ歌舞伎的”魅力(前衛と古典の融合―「何もない世界」の雄弁
怪異のスペクタクル―“異形のもの”たちの演劇性
歌舞伎と鏡花における男色的要素の共鳴)
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。