「伝統」とは何か

大塚 英志

「妖怪」はなぜ必要とされたのか、日本人は母性が強い民族か、「郷土人」と「外人」はどこが違うか、……意外な話題が照射する近代日本という不思議な世界。

「伝統」とは何か
  • シリーズ:ちくま新書
  • 748円(税込)
  • Cコード:0236
  • 整理番号:496
  • 刊行日: 2004/10/05
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:新書判
  • ページ数:208
  • ISBN:4-480-06196-7
  • JANコード:9784480061966
大塚 英志
大塚 英志

オオツカ エイジ

大塚 英志(おおつか・えいじ):1958年生まれ。まんが原作者、批評家。神戸芸術工科大学教授、東京大学大学院情報学環特任教授、国際日本文化研究センター教授を歴任。まんが原作に『アンラッキーヤングメン』(KADOKAWA)他多数、評論に『「暮し」のファシズム』(筑摩選書)、『物語消費論』『「おたく」の精神史』(星海社新書)、他多数。

この本の内容

「伝統」が、その担い手たちによって「作られる」ものであるという議論は、現代思想や文化人類学の領域ではそう珍しいことではない。けれども「伝統」の消費者たちにとっては、それにつきまとっているまやかしや杜撰さはあまり問題にならない。その事情は、明治維新によって急激な変化を強いられた近代日本でも同様だった。「伝統」が「求められ」、「作られて」いくプロセスを具体的に検証し、「伝統」を「求めて」しまう理由について考える。

この本の目次

序章 ベティさんは、何故、秘密結社にいたのか
第1章 「母性」をめぐる伝統はいかに作られたか(民俗学者は何故、架空の血筋を求めたのか
日本人は母性が強い民族だから母子心中をするのか)
第2章 「妖怪」とはいかに語られたか(多民族国家論としての「妖怪」論
植民地帰順論としての「妖怪」論
「幽霊」の国家管理)
第3章 「愛国心」は「郷土」と「ムー大陸」へ向かった(「ユダヤ人」から「公民」へ
「郷土人」の気持ちは「外人」にわかるか
ナチズムと民俗学)
終章 可能性としての「公民の民俗学」

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