遠藤秀紀
( えんどう・ひでき )1965年東京都生まれ、東京大学農学部卒。国立科学博物館、京都大学霊長類研究所を経て、東京大学総合研究博物館教授。博士(獣医学)。旧来の解剖学の枠組みを越えて動物の遺体と社会の関係を問い、遺体を未来に残す活動を続けている。著書に『東大夢教授』『人体 失敗の進化史』『ニワトリ 愛を独り占めにした鳥』『解剖男』『ウシの動物学』『遺体科学の挑戦』など。
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肉食獣で不器用なクマは、笹(タケ)をエサにするパンダにいかにして進化したのか?そのカギを握るのがパンダの「偽の親指」であることは、広く知られてきた。ところが、著者が上野動物園のパンダ、フェイフェイ、ホアンホアンの遺体の解剖をしたところ、実はこの六本目の指はほとんど動かず、もう一本の偽の指(七本目の指)が備わっていることで初めてパンダはタケをつかめることが判明した。このパンダの掌の仕組みをはじめ、解剖記録から浮かび上がった「忠犬ハチ公」の真実など、「遺体科学」によってしか到達できない豊かな知の世界へと招待する。
第1章 息絶える巨象(死の現場
モノとしての遺体 ほか)
第2章 パンダの指は語る(人気者との再会
不器用なクマ ほか)
第3部 語り部の遺体たち(旅の真相
ハプスブルク家のコウモリ ほか)
第4章 解剖学から遺体科学へ(パンダは臭いか
遺体を集め、遺体に問う ほか)
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