ドキュメント高校中退 ─いま、貧困がうまれる場所
貧困スパイラル!
高校を中退し、アルバイトすらできない貧困状態へと落ちていく。もはやそれは教育問題ではなく、社会を揺るがす問題である。知られざる高校中退の実態に迫る。
毎年、十万人近い高校生が中退している。彼らの多くは貧しい家庭に育ち、まともに勉強する機会など与えられず、とりあえず底辺校に入学し、やめていく。アルバイトですら、高卒以上の学歴を求められる現在、高校中退者にはほとんど仕事がなく、彼らは社会の底辺で生きていくことになる。いま、貧しい家庭からさらなる貧困が再生産されているのだ。もはや「高校中退」を語らずして貧困問題を語ることはできない。
第1部 高校中退の現実(底辺校に集中する高校中退
中退した若者たちに聞く
子どもの貧困)
第2部 高校中退の背景(なぜ高校をやめるのか
高校中退の問題点
就学援助から中退へ
終わりに―労働、地域、そして若者たちの生きがいを結ぶ教育)
2009.11.05 カワサキキリン
とても読み応えがあり、全編を通して緊迫感を持つことが出来た。内容に現実味があり、印象に残る一冊だ。
タレント上がりの知事が体罰復活を唱え、子供の競争をあおる様な発言をしてマスコミの注目を集める昨今の教育事情に、私は強い違和感を持っていた。この本はこのような現象に対しても、一定の回答を与えていると思う。
体罰復活や競争心をあおる様な発言をしている輩は、体罰や学習上の差別を受けずに、それらがどんなに陰湿なものであるか知らないからいえるのであろう。高校を中退した私からみると、彼らのいうことは差別を助長しているようにみえて仕方が無い。学校でゴミのように扱われる少年少女の心の傷を考えれば、私には到底賛同することが出来ない。しかしこの本を読んで、ゴミのことを考えることが出来る教育者の考えに接し、少し救われた思いがした。
著者には引き続きこのような青少年の問題を発信し続けて欲しい。
2009.10.21 アーチャンママ
私には障害のある息子と医療関係の大学に通う娘が居る。様々な意味で教育には困難とお金が付いて回った。それでも、私には、子供の為に割ける時間と知識があった。そして何よりそれが許される経済的余裕があった。もしそのすべてが無かった時私の子供たちがこの本に書かれている状況にならなかったと誰が言えるだろう。
民主党の政策の総てに賛成な訳では無いが、子供手当と高校の授業料無料化は意味がある。ただし出来る事なら、そのお金はまず子供の通う教育機関に直接渡してほしい。確実に子供たちの成長と教育の為に使ってほしい。彼らが世の中に見捨てられていないと実感できるように。
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