告発の正義

郷原 信郎

「告発の正義」
VS
「検察の正義」

公訴権を独占してきた「検察の正義」と不正や不祥事を捜査機関に申告する「告発の正義」との対立、激変する両者の関係を腑分け。問題点から可能性まで考察する。

告発の正義
  • シリーズ:ちくま新書
  • 858円(税込)
  • Cコード:0232
  • 整理番号:1142
  • 刊行日: 2015/09/07
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:新書判
  • ページ数:224
  • ISBN:978-4-480-06847-7
  • JANコード:9784480068477
郷原 信郎
郷原 信郎

ゴウハラ ノブオ

1955年島根県生まれ。東京大学理学部卒。東京地検特捜部、長崎地検次席検事、法務省法務総合研究所総括研究官などを経て、06年弁護士登録。08年、郷原総合コンプライアンス法律事務所開設。関西大学社会安全学部大学院特任教授。企業・官庁の不祥事対応でも活躍するコンプライアンスの第一人者であり、これまで総務省顧問、日本郵政ガバナンス検証委員会委員長、年金業務監視委員長、総務省コンプライアンス室長などを歴任した。著書には『検察の正義』(ちくま新書)、『「法令遵守」が日本を滅ぼす』(新潮新書)、『思考停止社会――「遵守」に蝕まれる日本』(講談社現代新書)、『検察崩壊――失われた正義』『企業はなぜ危機対応に失敗するのか――相次ぐ「巨大不祥事」の核心』(毎日新聞出版)など多数。また由良秀之のペンネームで執筆した小説『司法記者』はテレビドラマ化された。

この本の内容

告発によって企業不祥事や談合が発覚、または政治汚職や脱税などが明らかにされ、捜査がはじまることが増えてきた。告発をしやすくするための法的・制度的な環境も整備されつつある。けれど起訴するかしないかの判断は、従来、検察が独占するものだった。そのため「検察の正義」と「告発の正義」は、たびたび衝突・対立を繰り返してきたし、現在でも相克は続いている。本書は、告発とは何であるかをさまざまな事件や法的観点から腑分け。その問題点から可能性まで、考えるべき論点を提示する。

この本の目次

第1章 「社会的事象としての告発」をめぐる構図(「告発」をめぐる状況変化と「ホイッスルブローワー」
雪印食品牛肉偽装事件におけるホイッスルブローワー ほか)
第2章 「法律上の告発」の諸相(刑事訴訟法における告発に関する規定
「告発の正義」と「検察の正義」 ほか)
第3章 「告発の正義」と「検察の正義」―対立の系譜(石油カルテル事件と検事総長の批判
「検察の正義」が公取委「告発の正義」に完全敗北 ほか)
第4章 激変する「告発の正義」と「検察の正義」の関係(小沢公判で表面化した検審起訴議決への誘導
「検察の正義」さえ覆そうとする画策 ほか)
第5章 美濃加茂市長事件における「告発の正義」(岐阜県美濃加茂市長の「事件」
現金授受を全面否認する市長に有力な裏付け ほか)

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