嵯峨隆
( さが・たかし )1952年、秋田県生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程単位取得退学。博士(法学)。静岡県立大学名誉教授。専門は中国政治史、政治思想史。著書『近代中国アナキズムの研究』(研文出版、1994年)、『中国黒色革命論――師復とその思想』(社会評論社、2001年)、『アジア主義と近代日中の思想的交錯』(慶應義塾大学出版会、2016年)、『人物からたどる近代日中関係史』(共編著、国書刊行会、2019年)、『アジア主義全史』(筑摩選書、2020年)など。
loading...
明治から昭和まで活動し、「無位無官」の浪人ながら多方面に政治的影響力を持った頭山満(とうやま・みつる)。 日本のアジア侵略を肯定していたという理由で、その評価は高くないまま現在に至る。だが国権主義を無前提的に悪として、 頭山の行動や言説を解釈することは客観的とは言えないだろう。 頭山の生涯をたどりなおし、アジアとの連帯感と侵略志向とがいかなる形で彼の中で併存していたかをアジア主義との連関で読み解きつつ、近代日本のアジア観を問いなおすことを試みる。
第1章 福岡の地にて(少年時代から玄洋社設立に至るまで
玄洋社の設立と頭山満 ほか)
第2章 皇道とアジア(皇アジア主義者としての頭山満
金玉均支援活動と反ロシアの主張 ほか)
第3章 中国からインドへ(大正初期の日中関係と頭山満
頭山満のインド支援 ほか)
第4章 中国の変革に向けて(孫文との最後の会見
大正末期から昭和にかけての諸活動)
第5章 日中戦争の中で(苦悩する頭山満
本格化する日中戦争)
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。