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ちくま新書

聞く技術 聞いてもらう技術

「聞かれることで、ひとは変わる」カウンセラーが教える、コミュニケーションの基本にして奥義。すぐ実践できる、革新的な一冊。

定価

946

(10%税込)
ISBN

978-4-480-07509-3

Cコード

0295

整理番号

1686

2022/10/06

判型

新書判

ページ数

256

解説

内容紹介

第19回大佛次郎論壇賞、紀伊國屋じんぶん大賞2020 W受賞 『居るのはつらいよ』の東畑開人、待望の新書第一作!

聞かれることで、ひとは変わる――。
カウンセラーが教える、コミュニケーションの基本にして奥義。

「聞く」は声が耳に入ってくることで、「聴く」は声に耳を傾けること――。「聴く」のほうがむずかしそうに見えて、実は「聞く」ほうがむずかしい。「聞く」の不全が社会を覆ういまこそ「聞く」を再起動しなければならない。そのためには、それを支える「聞いてもらう」との循環が必要だ。小手先の技術から本質まで、読んだそばからコミュニケーションが変わる、革新的な一冊。

「「聞いてもらう技術」? ふしぎな言葉に聞こえるかもしれません。その感覚をぜひ覚えておいてください。このふしぎさこそが、「聞く」のふしぎさであり、そして「聞く」に宿る深い力であって、この本でこれから解き明かしていく謎であるからです。」(本文より)

世の中にはたくさんの素晴らしい「聞く技術」本があるわけですが、心理士としてひとつだけ不満がありました。「聞く技術」を必要としているときほど、実は技術なんか使っている余裕がないことです。 たとえば、パートナーや家族、同僚などの身近な人間関係で揉めているとき、あるいは政治や社会課題をめぐって敵と味方が二分されるとき、本当は対話が必要なときこそ、僕らの「聞く」は不全に陥ります。相手の話を聞いていられなくなる。 そういうとき、必要なのは、「聞く技術」ではなく「聞いてもらう技術」です。僕らが話を聞けなくなるのは、僕ら自身の話を聞いてもらえていないときだと思うからです。 「聞く」はふしぎです。聞くための小手先の技術から、聞いてもらうことに備わる深いちからまで、20年近い臨床経験から学んだことを、すべて書いてみました。 ――東畑開人

目次

聞く技術 小手先編
第1章 なぜ聞けなくなるのか(届かなかった言葉
社会に欠けているもの ほか)
第2章 孤立から孤独へ(連鎖する孤独
孤独と孤立のちがい ほか)
聞いてもらう技術 小手先編
第3章 聞くことのちから、心配のちから(心に毛を生やそう
素人と専門家のちがい ほか)
第4章 誰が聞くのか(対話を担う第三者
食卓を分断する話題 ほか)

著作者プロフィール

東畑開人

( とうはた・かいと )

1983年東京生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)・臨床心理士。専門は、臨床心理学・精神分析・医療人類学。白金高輪カウンセリングルーム主宰。著書に『野の医者は笑う―心の治療とは何か?』(誠信書房)『居るのはつらいよ―ケアとセラピーについての覚書』(医学書院)『心はどこへ消えた?』(文藝春秋 2021)『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』(新潮社)など。『居るのはつらいよ』で第19回(2019年)大佛次郎論壇賞受賞、紀伊國屋じんぶん大賞2020受賞。

メディア情報

雑誌

2023/03/06

「週刊教育資料」2023年3/6号にて清原洋一(秀明大学教授)さんに紹介されました。
WEB

2023/02/16

「聖教新聞電子版」に著者インタビューが掲載されました。 「心が変わるのは「信頼感」があるとき――インタビュー 臨床心理士 東畑開人さん㊦」
WEB

2023/02/15

「聖教新聞電子版」に著者インタビューが掲載されました。 「「聞く」ことは、心の「荷物」を預かること――インタビュー 臨床心理士 東畑開人さん㊤」
TV

2022/12/29

NHK Eテレ「ハナシティ」に著者が出演しました。
新聞

2022/12/25

読売新聞の「読書委員が選ぶ「2022年の3冊」」で鵜飼哲夫さんに紹介されました。
新聞

2022/12/05

読売新聞夕刊「ひらづみ!」にて恩蔵絢子さんに紹介されました。
新聞

2022/12/04

産経新聞「産經書房」欄に著者インタビューが掲載されました。
新聞

2022/12/02

産経新聞に著者インタビューが掲載されました。
新聞

2022/11/25

週刊読書人にて北條一浩さんによる書評が掲載されました。
雑誌

2022/11/18

「週刊金曜日」2022年11月18日号に長瀬海さんによる書評が掲載されました。
新聞

2022/11/14

中日新聞夕刊「週刊 読書かいわい」にて紹介されました。
新聞

2022/11/05

日本経済新聞に短評が掲載されました。
WEB

2022/11/03

「東洋経済オンライン」で抜粋記事が掲載されました。 話を聞くのがどうもヘタな人に伝えたいコツ4選 相手に委ね、眉毛で喋り、正直に、沈黙は金なり
雑誌

2022/11/01

「サンデー毎日」2022年11/ 13号「遠回りの読書」に武田砂鉄さんによる書評が掲載されました。
ラジオ

2022/10/26

ABCラジオ「朝も早よから芦沢誠です」にて紹介されました(プレゼンター:井手琢人さん)。
雑誌

2022/10/24

「週刊ポスト」2022年11/4号「話題の新刊!」で紹介されました。
雑誌

2022/10/20

週刊文春連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」に対談記事が掲載されました。

スペシャルコンテンツ

 

この本への感想

間違いなく人生でよかった本トップ10に入る本となりました。


人の気持ちを勝手に決めつけて自己責任論を振りかざす人たちが蔓延っている中、この本では「人間とはこんなものだ」と認めた上で、それを諦めるわけではなく非常に現実的な対処法を用いてなんとか社会の助けを借りようとしているのが、非常に共感できました。
本当に先生は人間というものを分かっていらっしゃると感じます。

自分が日頃から感じていることと合致する文章が大量にあり、ピンときたところに付箋を貼っていったら最終的に67個にもなりました。
しかも、一気読みしたとしたらその時のテンションで何でも良く見えていた可能性がありますが、実際には最長で2~3週間くらい間が空いていたにもかかわらず、数行読み進めただけで「これはまさにそうだ」と思える文章に次々と出会っていました。

特にあとがきの「責任の分担」という言葉を見た瞬間、「これだけ自己責任論が蔓延っている世の中にそんな概念があったのか!」と雷が落ちたような衝撃が走り、30分ほど茫然としてしまいました。

また、第三者には3種類あるという話を聞いて、自分はカウンセラーに友人的第三者を求めていたが、実際に受けたのは司法的か仲裁的ばかりだったので10年も噛み合わなかったんだと気づけました。まさに『補助線』を手に入れることができました。

他にも、孤独な人を助けようとすると孤独になるとか、孤立している人は暴力的な声と相部屋になっているとか、聞いてもらうのに必要なのは賢い頭ではなく戸惑う心とか、孤独は連鎖するがつながりも連鎖するとか、時間の流れはつながりがあると薬になるが孤立していると毒になるとか、挙げればきりがないほどに、新しい知見や自分の気持ちを言語化した文章がありました。

このような本を書いていただき、誠に誠にありがとうございます。
文字通り一生の宝にします。

久森

さん
update: 2023/07/12

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