姫野桂
( ひめの・けい )フリーライター。1987年生まれ。宮崎県宮崎市出身。日本女子大学日本文学科卒業。専門は社会問題や生きづらさ。著書に『私たちは生きづらさを抱えている――発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『生きづらさにまみれて』(晶文社)などがある。
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エリートなのに仕事ができない――理解が得られにくい不条理に自身も発達障害者であるライターが、当事者、大学教員、精神科医、支援団体への取材を通じて迫る。
エリートなのに仕事ができない――
理解が得られにくい不条理に
自身も発達障害者であるライターが迫る。
「ケアレスミスが多い」「人間関係がうまくいかない」――生活や仕事上で問題を抱える「大人の発達障害」が注目を集めて久しい。実はその中に「高学歴でありながら、発達障害を抱えている人」が少なからず存在する。「エリート」のイメージと「障害」の実情の狭間で理解が得られず、周囲と自分を比べては落ち込み、アイデンティティの葛藤を抱える……。当事者、大学教員、精神科医、支援団体への取材を通じて、発達障害が取りざたされる背景にある「異質であること」「非効率的であること」に不寛容な社会の姿を浮かび上がらせる。
【目次より】
・「あなたは早稲田大学を出ているんだから発達障害とは違う」
・人としての〝合格ライン?が上がってしまう感じ
・自分の意志がないのに〝意識高い系?になってしまった
・エリート同期たちからはニート扱い
・アイデンティティが負い目に変わる
・合理的配慮はあらゆる人に関係がある問題
第1章 発達障害とはどのようなものか
第2章 高学歴発達障害が抱える不条理(理解を得られずすべり落ちていく 大石幸太郎さん(26歳)早稲田大学政治経済学部卒業
同級生と比べて落ち込んでしまう 村上優子さん(30歳)大阪大学外国語学部卒業
人としての“合格ライン”が上がってしまう感じ 石川真里さん(28歳)東京大学法学部卒業、公共政策大学院修了
よりうまく生きていくための居場所 湯浅智昭さん(29歳)早稲田大学国際教養学部卒業
脚本家になって同級生たちの態度が一変 前園佳奈さん(33歳)慶應義塾大学文学部卒業)
第3章 発達障害当事者の大学准教授が見た大学―京都府立大学文学部准教授 横道誠さん
第4章 アイデンティティと現代社会と発達障害―精神科医 熊代亨さん
第5章 当事者に対する支援の取り組み(学生たちと作り上げる、学生のための支援 筑波大学ヒューマンエンパワーメント推進局 佐々木銀河さん
門戸は広がっている 株式会社Kaien代表取締役 鈴木慶太さん)
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