山田祐樹
( やまだ・ゆうき )山田 祐樹(やまだ・ゆうき):1981年生まれ。心理学者。2008年、九州大学大学院人間環境学府博士後期課程修了。博士(心理学)。現在、九州大学基幹教育院准教授。単著に『心理学を遊撃する──再現性問題は恥だが役に立つ』(ちとせプレス、2024年)がある。2018年に日本心理学会国際賞奨励賞、2021年に科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞などを受賞。犬好き。
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誤謬の温床か、現代の神話か。
「いけねえ癖」をもつ心理学者が、「変」を解剖する。
いまの日本の「心理学」は、奇妙な状況にあります。そこにあるのは、アカデミックな心理学と大衆的な心理学の混乱です。この本では、この状況を整理し、今後の共存のための考え方を示します。読み終わると、きっと心理学が好きになる。そんな本です。
「私は心理学というもの自体が大好きなのです。私は、海外の学会サイトや学術誌の著者欄をはじめとするあらゆるプロフィール欄に「I like dogs」と書くくらいに犬も好きなのですが、それに匹敵するレベルの心理学好きと言っても過言ではないでしょう」
イラスト:たにあいこ
第1章 変な心理学
1 たのしい心理学
2 ヤバい?心理学
心理学の実験(じめじめした暗室)/究極的な出版バイアス/再現率40%の危機/ネガティブ・ケイパビリティでがんばろう
3 変な心理学
4 たとえば行動心理学
行動心理学とはなにか/行動心理学の創始者/足の組み方論文はどう拡散したのか/行動心理学の創始者とはだれか
5 まとめ
第2章 カラーバス効果
1 情報を食べる
ネタを探す/ネタを採餌する
2 色を浴びる
カラーバス効果は心理学用語か?/カラーバス効果の発端/世界の初出をつきとめた
3 カラーバスの心理学化
海外の事例
4 カラーバス「的」効果
心理学における注意/カクテルパーティ効果/注意はどこまで能動的に制御できるのか
5 カラーバス効果とどうつきあっていくか
第3章 ウィンザー効果
1 声に出したいウィンザー
2 ウィンザーはどこから来たのか
ウィンザー効果の名づけ親
3 ウィンザー効果の学術的な部分
当事者は自分が得しようとしている/割引/説得/第三者は誠実に見える/漏れ聞き効果
4 ウィンザー効果とどうつきあっていくか
第4章 逆カラーバス効果
1 カラーバス効果ふたたび
2 「ある」と「ない」
あるのに、ない/ないし、ある
3 サブリミナル効果
映画でサブリミナルでコーラの件
4 意識から消すテクニック
フィリングイン/マスキング/連続フラッシュ抑制/見落とし
5 逆カラーバス効果そのもの
第5章 蛙化現象
1 来るものは拒む
2 蛙化現象を振りかえる
由来は「蛙の王様」/論文がない/蛙化現象の研究ができない
3 蛙化現象とは何なのか?
個人特性との関連
4 蛙の谷仮説
内部モデル/蛙の谷/真蛙化現象と新蛙化現象はひとつだった?/若い世代に多い理由
第6章 どうしてこうなった
1 たのしい心理学
2 ズバリとバズり
バズる原因/動物に関する科学/偏りの生じる原因
3 命名すること
声に出して読みたいルンペルシュティルツヒェン現象/Jingle-Jangle Jungle
4 心理学の名は。
「心理学」はいつ生まれた?/最初から「変」だった
5 もっと変な心理学へ
あとがき