ちくま学芸文庫
悪文の構造
─機能的な文章とは
千早耿一郎
著
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幕末から現在にいたるまでの暮らしの変貌の中で、私たちは多くのものを得たかわりに少しずつ何ものかを失い続け、そして現在、ともすると記憶できる風景と、風景を記憶する能力のいずれをも少しずつ失いかけている。そしてさらに重要なことは、この少しずつ失っていったものが何であるのかをすっかり忘れてしまっている点である。忘れさられてしまった暮しの断面を人物を軸にたどる「忘却と想起」の精神史。
第1章 怒る人―土足の文明開花
第2章 見せしめの人々―長屋と煉瓦街
第3章 逃げる人―聴竹居と文化住宅
第4章 戦く人々―スラム対アパートメント
第5章 諦める人たち―闇市から2DKへ
終章 亡霊たち―空屋と高層団地
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