高林武彦
( たかばやし・たけひこ )1919?1999年。兵庫県生まれ。東京大学物理学科卒業。名古屋大学助教授、CNRS(フランス国立中央科学研究所)研究員をへて名古屋大学教授。1983年同大学名誉教授。専攻は理論物理学、素粒子論、物理学史。著書に『熱学史第2版』(海鳴社)、『素粒子論の開拓』『現代物理学の創始者』(以上、みすず書房)、共訳書にボーム著『量子論』(みすず書房)などがある。
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量子力学、あるいはその発展史を扱った書物は、洋の東西を問わず、枚挙に暇がない。しかし、原著論文に逐一あたり、原著者と直接交流し、様々な議論を戦わせた後にその成果を採り入れて、まさに肉声をもって語り得たものは極めて少ない。本書は、自ら?燉ハ子力学基礎論において偉大な業績を挙げた著者が、研究者としての溢れる情熱と、歴史家としての冷徹な分析とを、相矛盾させることなく交えて、量子力学の本質を抉りだした、類い稀な「複眼の書」である。伝説の物理学者が残した、全ての物理学徒必読、科学史家必携の名著。
古典論の困難
振動子と量子・光量子
定常状態と遷移
前期量子論の困難と発展
行列力学の形成
物質波
波動力学の建設
波動力学の進展と確率的意味づけ
行列力学と波動力学の融合
不確定性と相補性、量子力学の解釈
スピン・排他律・対称性
粒子像と波動像の統一
量子力学と相対論の結合
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