ちくま学芸文庫
悪文の構造
─機能的な文章とは
千早耿一郎
著
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コレラ、毒婦、妖怪学、千里眼、西郷伝説…。明治から大正、昭和にかけての近代日本に生まれては消えていったおびただしい数のうわさ。人々の欲望、不安、怖れを乗せ、時代の裂け目より噴出し、世間を駆け抜けていったうわさは、庶民の精神を正確に映し出す真実の鏡であった。ウソをマコトに、マコトをウソに、いとも簡単に変換を可能にする装置“うわさ”を素材に、近代日本の透視図を描き出したサントリー学芸賞受賞の力作評論。
兎、虎列刺、絹布そして唄
毒婦たちの栄光
鹿鳴館と仁侠
世論と壮士
妖怪学と失念術
超能力の発見―千里眼事件
芸術か、スキャンダルか
コラムの誕生と消滅―「茶話」の時代
天譴、自警団、この際やっつけろ
英雄生存伝説と日本起源論異説
“清潔な帝国”下の『日乗』―荷風と昭和初期
デマと統制―木炭もない、石炭もない
“清潔な帝国”と敗戦
“地”のうわさ、海の記憶
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