明治国家の終焉 ─一九〇〇年体制の崩壊

坂野 潤治

経済的後進国から
軍事大国へ
二大政党制の
萌芽と挫折

日露戦争後の財政危機が官僚閥と議会第一党の協調による「一九〇〇年体制」を崩壊させた。戦争を招いた二大政党制の迷走の歴史を辿る。
【解説: 空井護 】

明治国家の終焉 ─一九〇〇年体制の崩壊
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,100円(税込)
  • Cコード:0121
  • 整理番号:ハ-32-1
  • 刊行日: 2010/06/09
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:272
  • ISBN:978-4-480-09296-0
  • JANコード:9784480092960
坂野 潤治
坂野 潤治

バンノ ジュンジ

1937年神奈川県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程中退。東京大学社会科学研究所教授、千葉大学法経学部教授を経て、現在は東京大学名誉教授。専攻は、日本近代政治史。著書に『昭和史の決定的瞬間』『未完の明治維新』(以上、ちくま新書)、『近代日本の国家構想』(岩波現代文庫、吉野作造賞受賞)、『日本憲政史』(東京大学出版会、角川源義賞受賞)、『明治国家の終焉』(ちくま学芸文庫)、『近代日本の出発』(新人物文庫)、『自由と平等の昭和史』(講談社選書メチエ)、『近代日本政治史』(岩波書店)、『明治デモクラシー』(岩波新書)、『明治憲法体制の確立』(東京大学出版会)など多数。

この本の内容

「1900年体制」とは、官僚閥の桂太郎と議会第一党・政友会の原敬によって構築された協調体制である。それは日露戦争後の金融界・産業界・都市部住民の主張を制限し、陸海軍と農村地主の利益を最優先しようとするものだった。ところが、軍部は陸軍と海軍に、官僚は大蔵と内務・鉄道院に、与党は積極財政派と行財政整理派に分裂し、野党・立憲国民党を巻き込んで政界は四分五裂に陥る。「民衆運動」もそれに共振し、統治システムの再編は迷走を続けた。「1955年体制」の崩壊を通奏低音としながら、予算問題の政治対立に焦点を当て、近代日本の臨界点となった「大正政変」の軌跡をたどる。

この本の目次

第1章 桂園時代の成立と展開(桂園時代の開幕
桂園時代下の攻防)
第2章 桂園時代の崩壊(桂園時代の終焉
第二次西園寺内閣の退陣)
第3章 大正政変(大正政変
山本内閣の成立と崩壊)
第4章 大隈内閣の成立と大正政変期の終焉(大隈内閣と世論
増師の実現)

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