福井憲彦
( ふくい・のりひこ )1946年東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、学習院大学長。フランス近現代史専攻。主な著書に『時間と習俗の社会史』(ちくま学芸文庫)、『鏡としての歴史』(日本エディタースクール出版部)、『歴史の愉しみ・歴史家への道』(新曜社)、『フランス史』(編著、山川出版社)、『近代ヨーロッパの覇権』(「興亡の世界史13、講談社」、『歴史学入門』『ヨーロッパ近代の社会史』(岩波書店)などがある。
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ヨーロッパの近代は、その後の世界を決定づけた。現代の繁栄も混迷もここに発し、21世紀になってなお世界が解決に苦闘する難題もまた、ここに源をもっている。では、なぜそのようなことになったのだろうか。教科書で習った近代ヨーロッパの重大事件、アメリカ合衆国の独立や、フランス革命、産業革命などは、私たちの生きる現代世界にどのような影響を与えているのだろうか。複雑で多様な要素からなる歴史を解きほぐし、個々の出来事の知識だけからは計り知れない近代ヨーロッパのインパクトの意味と深さを、平明かつ総合的に考える。
ヨーロッパによる海外進出の開始
世界?ユにおける覇権争い
一八世紀における社会経済と政治
「啓蒙の光」と近代思想の誕生
人口増加の開始から「移動の世紀」へ
革命に揺れる大西洋世界
ウィーン体制と四八年諸革命
工業化と社会の変容
農村のヨーロッパと都市のヨーロッパ
科学技術の実用化と産業文明の成立
様々な帝国主義
第一次世界大戦という激震
歴史文化の継承と芸術的創造
近代ヨーロッパの光と陰
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