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ちくま学芸文庫

物語としての歴史

——歴史の分析哲学

物語論の衝撃

生起し続ける出来事をいかに記述するか。〈物語文〉という概念を基軸に、歴史的な思考と言語のあり方を解き明かした記念碑的名著。解説 野家啓一

定価

1,980

(10%税込)
ISBN

978-4-480-51260-4

Cコード

0110

整理番号

-60-1

2024/10/09

判型

文庫判

ページ数

608

解説

野家啓一

内容紹介

生起し続ける出来事をいかに記述するか。それを歴史としていかに認識し、語り継ぐのか。出来事や事実は、歴史において時間関係として組織化されるが、そこに密接に関与するのが「物語」である。物語は、出来事の原因、結果の継起的必然性、偶然的生起、連続的持続、未来の予期を含む方向性などの論理関係を示し、出来事を時間関係として捉える。本書は、こうした「歴史的知覚」を促す物語文という概念を基軸に、歴史的な思考と言語のあり方を解き明かす。ヘイドン・ホワイトの『メタヒストリー』とともに、ヘーゲル以降の歴史哲学にパラダイム・シフトをもたらした記念碑的名著。

目次

序 文
第1章 実在論的歴史哲学と分析的歴史哲学
第2章 歴史の最小特性 
第3章 歴史的知識の可能性に対する三つの反論
第4章 検証と時制
第5章 時間的懐疑主義
第6章 歴史的相対主義
第7章 歴史と時代編年史
第8章 物語文
第9章 未来と過去
第10章 歴史的説明と一般法則
第11章 物語の役割
第12章 歴史的理解と他の時代
第13章 方法論的個体主義

原 注
訳者あとがき
文庫版への訳者あとがき
解説 二つの「言語論的転回」の狭間で(野家啓一)
人名・事項索引

著作者プロフィール

アーサー・C・ダント

( だんと,あーさー )

アーサー・C・ダント(Arthur Coleman Danto):1924-2013年。アメリカの哲学者、美術批評家。コロンビア大学名誉教授。知識論、行為論に関する分析哲学をはじめ芸術・美学分野の理論的著作を残した。著書に『哲学者としてのニーチェ』『言語と哲学の世界』『ありふれたものの変容』『芸術の終焉のあと』『アートとは何か』など。

河本英夫

( かわもと・ひでお )

河本 英夫(かわもと・ひでお):1953年、鳥取県生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程満期退学。東洋大学名誉教授。専門は哲学、システム論、科学論。著書に『オートポイエーシス』『システム現象学』など。

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