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ちくま学芸文庫

造形思考(下)

運動・有機体・秩序。見えないものに形を与え、目に見えるようにするのが芸術の本質だ。ベンヤミンをも虜にした彼の思想とは。解説 岡田温司

定価

1,760

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09602-9

Cコード

0170

整理番号

-25-2

2016/05/10

判型

文庫判

ページ数

352

解説

内容紹介

「『造形思考』は、レオナルドの数々の『手稿』に匹敵するといっても、おそらく誇張にはならないだろう」(「文庫版解説」より)。クレーの思索は、動力学、光学、解剖学にまで及ぶ。そして芸術の本質を、「見えるものをそのまま再現するのではなく、見えるようにすること」と見定める。形態そのものでなく形成や造形を捉えること。そして「運動」と「反対運動」の均衡を見出すことにより、構図上の平衡が成立するという。縦横無尽に走る思索は、まさに“普遍人”の再来というにふさわしい。

目次

造形フォルム論によせて

Ⅲ 生成の基本概念
  運動の造形。フォルムにいたる過程の強調
  自然研究と結びついた造形論
  過程と目標の緊張。本質と現象
  自然と抽象
1 さまざまな運動の可能性
  リズミカルな組成の性格
  地上的, および宇宙的な例
2 運動の意志と運動の遂行としての自然な運動有機体機能
  二つのもの, および三つのものの有機的な協調
3 運動はすべての生成しつつあるものに固有である
  生成としての作品の歴史。造形作品の機能
  現実の運動のフォルムの性質やその有機的な相関性の問題
4 造形作品の継起, あるいはその時間的機能
  運動の行動と運動のフォルム
  現実の運動のフォルムの性質
5 動いた力の原因, 結果, および造形
  運動有機体と, 動いていて静かな,
  静かに動く全体物になる多様性の綜合
  運動が無限に行われる解決

Ⅳ 造形形的全体の組成
  運動有機体。組成の性格とその評価。領域と部分
1 存在する作品ではなく, 生成する作品
  単一性にいたる多様性の構造
  全体に向う作品内の発展。反復
2 相異なるものを統一に組織すること
  領域と諸部分。総括

Ⅴ 純粋な色の秩序と本質
  色彩関係を示す場でしめる位置
  面上での色の有限な, および無限な運動
  色の部分活動と色の全体性
1 色の領域における秩序
  有限な色列, および色の無限な融合
  直径, および円周の色の関係
2 色の相互関係
  直径で結ばれている色の関係
  純正な色の対と純正でない色の対
3 円周上の色の運動。色の全体性の輪唱(カノン)
4 色の平面に関する全体性の法則
5 色円上の色素の固着

文庫版解説(岡田温司)

メディア情報

新聞

2025/05/25

東京新聞「コンパス」で紹介されました。

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