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シリーズ・全集

新・ちくま文学の森 8 からだの発見

——からだの発見

定価

1,923

(10%税込)
ISBN

978-4-480-10128-0

Cコード

0393

整理番号

1995/04/24

判型

四六判

ページ数

416

解説

内容紹介

牧神の春 中井英夫/ある海水浴客の冒険 カルヴィーノ/刺青の話 岡本綺堂/笞刑 金東仁/そんなこたないす L・ヒューズ 他

目次

?(堀辰雄)
牧神の春(中井英夫)
ある学会報告(カフカ)
ある海水浴客の冒険(カルヴィーノ)
女房を寝とられた二つの肉体(エーメ)
眼玉首と脚(柴田宵曲)
刺青の話(岡本綺堂)
パーカーの背中(オコナー)
欲望と黒人マッサージ師(ウィリアムズ,テネシー)
笞刑(金東仁)
ねむい(チェーホフ)
そんなこたないす(ヒューズ,ラングストン)
便利な治療(ボンデンペルリ)
酒虫(芥川龍之介)
ヴァルドマル師の病症の真相(ポー)
そったく(幸田文)
苺の季節(コールドウェル)
二世の縁 拾遺(円地文子)
ホーデン侍従(尾崎士郎)
青塚氏の話(谷崎潤一郎)

著作者プロフィール

鶴見俊輔

( つるみ・しゅんすけ )

1922-2015年。哲学者。1942年、ハーヴァード大学哲学科卒。46年、丸山眞男らと「思想の科学」を創刊。65年、小田実らとベ平連を結成。2004年、大江健三郎らと「九条の会」呼びかけ人となる。著書に『アメリカ哲学』『限界芸術論』『アメノウズメ伝』などのほか、エッセイ、共著など多数。『鶴見俊輔集』全17巻もある。

安野光雅

( あんの・みつまさ )

安野 光雅(あんの・みつまさ):1926年島根県津和野生まれ。画家・絵本作家として、国際アンデルセン賞、ケイト・グリーナウェイ賞、紫綬褒章など多数受賞し、世界的に高い評価を得ている。主な著作に『ふしぎなえ』『ABCの本』『繪本平家物語』『繪本三國志』『片想い百人一首』などがある。2020年、逝去。

森毅

( もり・つよし)

1928年東京生まれ。東京大学数学科卒業。京都大学教養部教授を長く務める。著書に『まちがったっていいじゃないか』(ちくま文庫)、『数学の歴史』(講談社学術文庫)、『対談 数学大明神』(安野光雅氏と共著、ちくま学芸文庫)ほか多数。2010年7月逝去。

この本への感想

 本を開くと、幕開けから驚くべき異様な世界が目白押し。突然、山羊の姿の牧神に変身してしまう青年の話・・・中井英夫の『牧神の春』、人間としての生活を始めた猿の話・・・カフカの『ある学会報告』、・・・ナンナンダ、コレハ・・・と、目を見張らずにはいられない。ぐいぐいと手を引かれるように、次のページ、さらに次のページへといざなわれてゆく。思えば、自分自身のからだといえども謎だらけ。からだは全く摩訶不思議。美しく見えるかと思うとグロテスクな部分もあったりして・・・いちばん身近であるはずなのに、確かに“発見”することは多い。
 ・・・催眠術にかけられたまま死んだ男の話・・・ポーの『ヴァルドマル氏の病症の真相』、人の心の中にいつまでも燻り続ける性欲についての話・・・円地文子の『二世の縁 拾遺』、そして、嗚呼! 尾崎士郎の『ホーデン侍従』・・・!!
 
 最後まで、ナンナンダコレハ、という半ば興奮にも似た思いに付き纏われて、読み耽ってしまいました。

義翁

さん
update: 2009/09/09

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