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ちくま文庫

続 明暗

続きはここにあった!

もし、あの『明暗』が書き継がれていたとしたら…。漱石の文体そのままに、気鋭の作家が挑んだ話題作。芸術選奨新人賞受賞。

第41回芸術選奨文部大臣新人賞

定価

990

(10%税込)
ISBN

978-4-480-42609-3

Cコード

0193

整理番号

-25-2

2009/06/10

判型

文庫判

ページ数

432

解説

内容紹介

漱石の死とともに未完に終わった『明暗』―津田が、新妻のお延をいつわり、かつての恋人清子に会おうと温泉へと旅立った所で絶筆となった。東京に残されたお延、温泉場で再会した津田と清子はいったいどうなるのか。日本近代文学の最高峰が、今ここに完結を迎える。漱石の文体そのままで綴られて話題をよび、すでに古典となった作品。芸術選奨新人賞受賞。

著作者プロフィール

水村美苗

( みずむら・みなえ )

東京生まれ。12歳で渡米。イェール大学卒、仏文専攻。同大学院修了後、帰国。のち、プリンストン大学などで日本近代文学を教える。1990年『續明暗』を刊行し芸術選奨新人賞、95年に『私小説 from left to right』で野間文芸新人賞、2002年『本格小説』で読売文学賞、08年『日本語が亡びるとき――英語の世紀の中で』で小林秀雄賞、12年『母の遺産――新聞小説』で大佛次郎賞を受賞。その他の作品に『日本語で書くということ』『日本語で読むということ』、辻邦生氏との往復書簡『手紙、栞を添えて』がある。

この本への感想

水村 美苗さんとは、ジュンク堂書店で「日本語が亡びるとき」-英語の世紀の中で-の題名に惹かれて購入したのが出会いです。娘家族がアメリカに滞在し4年になり、孫たちの思考が英語でし始めているのに感づいたことがあります。さて、その後に、この「続明暗」が気になりました。読み始めて漱石の「明暗」を読んでいないことを恥じて、すぐご本家を購入。ご本家「明暗」は数日にかけて読みましたが、この「続明暗」はとにかく、お正月ということもあり、大みそかから徹夜で読みました。とにかく先が知りたくて、面白くてたまりませんでした。一番知りたいと、思ったのは「清子が津田を振った理由」でした。そして知りえたのは、「女性の論理」だなっと思いました。津田を最後のところで信用できない男と断ずるところは、津田=私であり、震えあがりました。夫婦喧嘩の延長のようであり、後味が悪い思いがし、作者水村 美苗氏のあとがきを読みながら、何度も、本文を読みなおしたり、検証したりしました。男の感性で書かれた「続明暗」を探しましたが、他に2名が女性、1名が男性でしたので、これから読もうと思っています。とにかく、面白かったです。漱石が記してから約100年、ルビと注釈が無いと読めない自分に「日本語が亡びるとき」をかさねて、国語辞書も傍らに置き読みました。でも、謎ときが面白くて、そんな手間も苦にならないほど面白かったです。

NadiaWish

さん
update: 2010/01/05

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