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ちくま文庫

杉浦日向子ベスト・エッセイ

生きて在るこの自分の時間をことほぐ

初期の単行本未収録作品から、若き晩年、自らの生と死を見つめた名篇までを、多彩な活躍をした人生の軌跡を辿るように集めた、最良のコレクション。

定価

924

(10%税込)
ISBN

978-4-480-43762-4

Cコード

0195

整理番号

-2-13

2021/09/09

判型

文庫判

ページ数

336

解説

松田哲夫

内容紹介

江戸を題材にした漫画を多く描き、若くして評価を得た著者は漫画の執筆をやめて以降、テレビ等での江戸解説のほか、多くのエッセイを執筆してきた。その内容は、江戸の魅力を語った作品はもちろんのこと、重い病を得てからは、自らの命を見つめ、生と死に関して考え続けてきた作品も多い。その多くの優れたエッセイの中から、初期単行本未収録作品11篇、江戸や江戸人についての作品、大好きだった旅、食べ物に関する作品、書評等を選び構成した。多彩な活躍の軌跡をたどる最良のコレクション。

目次

序 私の憧れ

壱 元気な若旦那
■「お江戸珍奇」より
変生
ポルノ
かげま
人擬大奥
■「杉浦日向子の日常噴飯」より
時代考証はカルシウム
本格オモシロ時代劇が見たい
来たれ、コニシキ・シンドローム
銭湯をくぐって社会に出よう!
ああ、世間はムツカシイ
着物ってキモチ良い
今日も〆切、明日も〆切
まじり物でできた脳には若隠居
苦手な絵についての心境
安吾は他人とは思えない
デンジャラス・ヒナコ、東京タワーに登る
東京とサイゴまで付き会うぜ!!
ブームになったら「江戸」も終り
■「ウルトラ人生相談」より
夢みて半世紀
われナベにとじ蓋
スモーサイコー
お粥で握り鮨
シャブリ女

弐 江戸人の流儀
江戸と私の怪しいカンケー
江戸の楽しみ
江戸のおんな
粋とは何か
無能の人々
贅の文学
うつくしく、やさしく、おろかなり

参 浮世漫遊記
■『東京イワシ頭』より
スッポンポン篇
■『呑々草子』より
トライバスロン
■『入浴の女王』より
四条木屋町「明石湯」

四 若隠居の心意気
因果と丈夫
私の転機
隠居志願
■「きょうの不健康」より
不健康は健康のもと
いろんなカタチ
病気自慢?
酒を呑むにも上手下手
巨大病院の外来
■「ゴチマンマ!」より
ひとりごはん
ひとりの楽しみ
往復書簡
「豊かな老いへ」・旅(宮脇俊三)
お山の大将
船旅道楽
かなしみの変容
わたしのおはか。

伍 いのちの読書
『平家物語』
『おさかな談義』
『イワシの自然誌』
『日本糞虫記』
『疱瘡神』
『江戸 老いの文化』
『脱病院化社会 医療の限界』
『愛する家族を喪うとき』
『今日は死ぬのにもってこいの日』

終 おいしいエッセー
塩ご飯 最期の晩餐

出典一覧 編者解説

著作者プロフィール

杉浦日向子

( すぎうら・ひなこ )

杉浦 日向子(すぎうら・ひなこ):1958‐2005。東京生れ。漫画家、文筆家。「通言室乃梅」で漫画家としてデビュー。以来、一貫して江戸風俗を題材にした作品を描き、1984(昭和59)年『合葬』で日本漫画家協会賞優秀賞、88年『風流江戸雀』で文藝春秋漫画賞を受賞。NHKTV『お江戸でござる』の江戸解説者として長年活躍し、エッセイストとしての著書も多いが、『ごくらくちんみ』『4時のオヤツ』では小説家としても腕の冴えを見せた。2005(平成17)年7月、下咽頭がんのため46歳で逝去。

松田哲夫

( まつだ・てつお )

松田 哲夫(まつだ・てつお):一九四七年、東京生まれ。編集者(元筑摩書房専務取締役)。書評家。東京都立大学中退。七〇年、筑摩書房に入社、書籍編集者として五百冊以上の本を編集。『ちくま文学の森』『中学生までによんでおきたい日本文学』『日本文学100年の名作』などのアンソロジーを多く手掛ける。「ちくま文庫」「ちくまプリマー新書」を創刊。九六年よりTBS系テレビ「王様のブランチ」のコメンテーターを十二年半務める。著書に『編集狂時代』『印刷に恋して』『「本」に恋して』『「王様のブランチ」ブックガイド200』『縁もたけなわ』など。

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