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ちくま文庫

「悪所」の民俗誌

——色町・芝居町のトポロジー

都市の盛り場は、遊女や役者の呪力が宿る場所だった。「遊」「色」「悪」の視座から日本文化の深層をえぐり、「悪所」の磁場を解明する。解説 松尾恒一

定価

990

(10%税込)
ISBN

978-4-480-43886-7

Cコード

0121

整理番号

-77-1

2023/06/08

判型

文庫判

ページ数

336

解説

内容紹介

「〈悪〉という言葉の裏側には、だれきった日常性を破壊するデモーニッシュな力が潜んでいた」(「あとがき」より)。都市の盛り場は、遊女や役者など賎視された「制外者」たちの呪力が宿る場所だった。なぜ、ひとは「悪所」に惹かれるのか。芸能を業とする人びとは、どのように暮らし、どんな芸を生み出したのか。「遊」「色」「悪」の視座から日本文化の深層をさぐる。 解説=松尾恒一

目次

第1章 わが人生の三つの磁場
第2章 「悪所」は「盛り場」の源流
第3章 遊女に潜む霊妙なパワー
第4章 「制外者」と呼ばれた遊女と役者
第5章 特異な都市空間としての「悪所」
第6章 “悪”の美学と「色道」ルネサンス
第7章 文明開化と芸能興行
あとがき
解説 身体・声・音により表現される文化と社会、国家、制度(松尾恒一)

著作者プロフィール

沖浦和光

( おきうら・かずてる )

1927年大阪府生まれ。東京大学文学部卒業。桃山学院大学名誉教授。専攻は比較文化論・社会思想史。これまで数百にのぼる各地の被差別部落を訪れ、伝承されてきた民俗文化と産業技術を研究。山の民や海の民の歴史にも深い関心を寄せてきた。また、国内外の辺境や都市、島嶼でのフィールドワークを通して、日本文化の深層を探る研究調査を続けている。

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