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ちくま文庫

転がるように 地を這うように

——私の杖となった文学の言葉たち

漱石、芥川、太宰……名手が紡いだ幻の文学エッセイ

励まし、立ち止まらせ、そっと生に寄り添う言葉と物語。漱石、芥川、太宰、安吾、荷風……小説の名手が紡いだ幻の文学エッセイ、待望の復刊。

定価

990

(10%税込)
ISBN

978-4-480-44058-7

Cコード

0195

整理番号

-46-1

2025/11/10

判型

文庫判

ページ数

224

解説

内容紹介

「猪口才」な輩に見切りを付け、東京に戻って清と暮らした漱石「坊っちゃん」の馬鹿正直さを肯定し、織田作が描く主人公の地を這うような生き様に喝采を送る――。心に残る物語は、自分が生きる行程に必ず寄り添い続けてくれる。今も愛してやまない作品群から選び出した言葉を中心に、生の豊かさと奥深さを切実な感覚で紐解く。作家デビュー以前の幻の名エッセイ、待望の復刊。

カバーデザイン 水戸部功

目次

はじめに
かんのんさま 青べか物語/山本周五郎 
出世双六 アド・バルーン/織田作之助
落莫 風琴と魚の町/林芙美子
道化 人間失格/太宰治

厄除け詩集/井伏鱒二

猪口才 坊っちゃん/夏目漱石
清浄無垢 銀の匙/中勘助
責苦 木魂/夢野久作
端然 母の上京/坂口安吾

御馳走帖/内田百閒

厄介 厄介/山本周五郎
ネビッチョ 浮雲/二葉亭四迷
蔵む 破戒/島崎藤村

月に吠える/萩原朔太郎

恬然 河童/芥川龍之介
道学者 お目出たき人/武者小路実篤
塩花 おかめ笹/永井荷風

筑波日記/竹内浩三

主要 引用文献/参考文献 一覧
あとがき

著作者プロフィール

木内昇

( きうち・のぼり )

木内 昇(きうち・のぼり):1967(昭和42)年東京生まれ。出版社勤務を経て独立し、インタビュー誌「Spotting」創刊。2004(平成16)年『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。11年に『漂砂のうたう』で直木賞、14年に『櫛引道守』で中央公論文芸賞・柴田錬三郎賞・親鸞賞、25年に『奇のくに風土記』で泉鏡花文学賞を受賞。著書に『茗荷谷の猫』『よこまち余話』『光炎の人』『球道恋々』『火影に咲く』『化物蝋燭』『万波を翔る』『占』『剛心』『かたばみ』『惣十郎浮世始末』『雪夢往来』他多数。

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