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ちくま学芸文庫

キリスト教の幼年期

キリスト教史の最初の一世紀は、幾つもの転回点を持つ不安定な時代であった。この宗教が自らの独自性を発見した様子を歴史の中で鮮やかに描く。

定価

1,430

(10%税込)
ISBN

978-4-480-51044-0

Cコード

0116

整理番号

-19-1

2021/08/10

判型

文庫判

ページ数

352

解説

内容紹介

キリスト教は、イエスやパウロによって現在の形が定められたわけではない。この宗教の最初の一世紀には、世界宗教となった後世から振り返った際に想像されがちな一枚岩で安定した教会組織も存在していなかった。さらに言えば、イエスの活動とその死の後でも多くの点でユダヤ教の枠内にとどまっていた。しかし、いくつかの決定的な転回があり、キリスト教は自分たちの独自性を発見していくこととなった。どのような出来事、どのような思索が、キリスト教を新しい自律した宗教へと歩ませることになったのか。厳密な資料読解を通して描く。

目次

キリスト紀元初めの頃のユダヤ教
洗礼者ヨハネとナザレのイエス
エルサレムの初期教会
「ヘレニスト」の再活性化
パウロの最初の活動
前方への逃避
教会のリーダーとしてのパウロ
神学者および殉教者としてのパウロ
六〇年代の重大危機
キリスト教の反撃
パウロの後継者たちの目覚め
大人として成熟したキリスト教に向けて
強化とヘレニズム化

著作者プロフィール

加藤隆

( かとう・たかし )

1957年生まれ。ストラスブール大学プロテスタント神学部博士課程修了。神学博士。千葉大学文学部教授。著書に、『旧約聖書の誕生』(ちくま学芸文庫)、『新約聖書はなぜギリシア語で書かれたか』(大修館書店)、『『新約聖書』の誕生』(講談社選書メチエ)などがある。

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